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弓の種類
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弓の種類
 重藤の弓
上:半弓
下:圭藤在銘
日本の弓で存在しているものは木材と竹を組み合わせ、それを膠で接着し、補強のために藤を巻き付けてある。この巻 き付け方の形式を重藤と言う。弓の全長は220cm程度で、弦は弓のしなりと反対側に掛ける。滋藤とも書く。 重藤の弓の例:全長220cm、幅28mm、厚さ22mm。全体に黒漆塗り、断面はほぼ角で、皮革製の握りは下から85cm、上から135cm にある。従って握って構えてみると弓は上に大きい。巻いた藤は、下方に15巻き、上方に28巻きあり、それらは赤く漆で塗られて おり、弓全体のアクセントとなっている。握りの上に2本の筋が赤い漆で入れられており、その間隔は1cm。狙いの為のものであろ う。巻いてある藤の幅は2cmであり、藤の間隔は寸法を測るにも使用された。皮革製の握りは9cmの長さ。
弓には明きらかにこのような高級なもの以外に「数弓」と呼ばれる足軽用のものが存在した。数弓に対しこれらは「持ち弓」と呼 ばれ、主人に成り代わり「お持ち弓」と言う足軽が運搬したが「御持ち弓1張り征矢1腰」に「今1張りと1腰は張り換えの御弓、 御征矢」と書いてあるので、高級な弓矢は2張り、2腰で1組であった。
 
上の2張は全長210cmくらいの長弓で、上の弓は、葛巻きが少ないが、太く厚い作りで実戦用の「数弓」であろう。中は薄い作りで練習用のものであろう。下の中弓は長さ130cmで、鯨の髭製。この弓も弦は反りと反対側に張る。数弓先端には皮製の被い、家紋入りが付いている。
 
 半弓
小型の弓で材料には、一般的な弓のように木材を合わせてあるものと骨で作ってあるものが見られる。長弓に比較する と寸法よりも構造に差がある。
例:全長153cm、幅(最大)30mm、厚さ13mm。素材は木を合わせてあるものと思われるが、表面に木の皮を張り、要所を藤 で巻いてある。握りは下方より70cm、上方より83cmに皮革、11・5cmの長さで巻いてあり、これは一般の長い弓より真ん 中に近い位置である。弦は反りに合わせて張るようになっており、この点も一般の弓と逆である。 この例とまったく同じものを見たことがあるので、対になっていた可能性もある。
 
3張の短い弓。左の弓は竹製で長さ107cm、比較的細いが、藤が全体に巻いてあり漆仕上げである。真ん中の弓は動物の骨製で長さ62cm、太く厚い。弦は反りの反対側にくる。右の弓は骨製で長さ62cm、上下対称に近く、弦は反りに合わせて張る。
 
 李満弓
同じような作りであるが形状が異なる。箱の部分は鯨の髭を合わせ製作した。矢は11本収納される。10本は通常の矢、1本は大きな矢尻で羽根が4枚ある。
 
弓の寸法は45cm、矢は30cm。矢尻は短いが鋭い。使用の際は箱から出して弓を着物の懐に収納し矢入れを帯に差したものか。箱の内側には記号、合印のようなものが描かれているが、流派を表したものかもしれない。
       

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