5 、日本の短機関銃

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およそ現存している日本の短機関銃には3種類がある。全部8㎜南部弾を使うもので、量産されたのは1944年に約1万挺弱だけである。画像
5-1試制短機関銃 幾つかの形式あり、南部 麒次郎氏設計と推定される
5-2一〇〇式前期型 海軍空挺隊使用 南部製造 数十の単位
5-3一〇〇式後期型 陸軍空挺隊使用 名古屋工廠製造
日本陸軍は日中戦争中において世界の様々な短機関銃を目にしてきたが、短機関銃を制式な装備としてはなかなか採用しなかった。一方海軍は陸戦隊の警備、臨検などの目的で短機関銃は有効なる兵器と考え、第一次上海事件前よりベルグマンを毎年輸入しその総計は記録では6000挺あった。但し、統一されたものではなく様々な口径の銃があったようだ。陸戦隊の装備として使用した。
陸軍は大戦初期、南方の空挺作戦などで短機関銃の必要性を痛感し、フィリピンで鹵獲したトンプソン数百を工廠で整備し、空挺作戦に使う準備もした。同時に南部設計の一〇〇式前期型を改良、量産できるようにしてこれを生産し始めたのは昭和19年(1944年)であった。現在、アメリカには約100挺が存在するが弾倉の数が足らず、弾倉のないものが多い。画像のものは日本のタナカのモデルガン弾倉を改造し使用できるようにしたもので、実物に比べると鉄板が薄い。
(タナカのモデルガンは前期型であり、後期型と弾倉の留め具が異なった)