4-2、弾丸の作り方
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火縄銃など滑腔前装填銃の弾丸は鉛製の丸玉である。材料が鉛なのは、鉛は融点が低い、柔らかい(銃を痛めない)、質量が大きいなど、弾丸として優れた金属だからで、現在の弾丸も鉛の上に別な金属を被甲してある。
1、 材料を用意する。 の小型の塊を用意する。不純物が混じってないものが良い。釣りの錘など、案外良い材料の入手には苦労する。
釣りの錘
2、 道具を用意する。鋳鍋、掬い灼、玉型、木ハンマー、平たい箱などである。アメリカのように前装銃射撃の盛んなところでは何種類もの市販の道具が販売されている。これはライマン社製の道具。
3、
4、 玉型は銃腔の口径に自分が使うパッチ(玉を包む布)の径より小さいものを用意する。日本古来の玉型で合うものがあれば良いが、なかなか丸く出来ない。
5、 鍋に鉛を入れ、火に掛ける。直径10㎝くらいの鍋だが全体が溶けるまでには20分ほどかかる。
6、 灼も温める。灼の孔から勢い良く融けた鉛が流れるようにする。その際
表面に浮かんだ滓をすくって捨てる。これが玉に入ると重さが一定しない。
7、 玉型の孔から鉛を流し込む。玉型も2-3発造らないと温まらない。冷えていると表面にしわがよるのでそれらはまた鍋に戻す。
8、 木ハンで玉型の上のカッターを叩き、へそを取る。それらは鍋の上で行えば、へそは鍋に戻る。日本古来の玉型の場合はハサミで切り取る。
9、 木ハンで玉型を開け、玉を箱に落とす。落ちる段階でもうかたまっている。
10、 7-80の玉を作るには大体30分間は掛る。
11、 玉をひとつひとつ点検して、出来そこないは鍋に戻す。
12、
競技に使う玉は、計測して重さが一定しているかをみる。
台所でやる作業なので、鉛の滓があちこちに飛ぶから掃除をしないと、食べ物にそれらが混入したら大変なことになる。