7 、その他の弓矢

1、遊戯用か年少者用か

以下の2つの弓は九州宮崎飫肥四半的で使うものかさては年少者用か。
弓長は110㎝、幅20㎜で、矢長は40㎝。弓の大きさは長弓の半分くらいである。

両方の弓とも稽古用の矢が付いているが、籐の巻きも多く、本格的な作りで出来は良い。しかしこの弓では戦闘用の鏃の付いた重い征矢を射る力はないだろう。一方、宮崎県の飫肥で行われている弓矢の競技、使っている装具がこれに似ているのだ。HP古武道「居合剣術古流・半弓術を学ぶ」によれば飫肥藩(現在の宮崎県日南市)奨励の「四半的」的4寸半(13・6㎝)、距離4間半(8・2m)の射に使用したものに弓の寸法や形式は合うが矢が短い。飫肥藩で使う矢は長い矢である。

同HPより

これらは年少者用の稽古弓である可能性が高い。

2、 遊戯用の弓矢

遊びとして室内で射た弓矢の箱入り組である。黒漆塗りの箱、長さ31.5㎝、幅7㎝、厚さ3.8㎝ほどのしっかりしたものだが、その中に4つに分解した黒檀のような固い木で作られ、組み立てたら80㎝くらいになる弓と、矢、長さ28㎝、先は平坦なものが入っている。

金具は銀でかなり凝ったものだ。

このような木製の的を吊るして射たと言う。直径は10㎝、厚さ4㎝で、まん中36㎜だけが後ろまで抜けている。従って36㎜のところが命中。

矢の先は象牙を使っている。
江戸期の遊技場(岡場)や家庭でこのような弓で遊んだとの記録がある。北斎漫画

3、 不明な弓矢

各々30㎝くらいの長さで矢は2、の遊戯用のものであろう。弓は本格的作りだが、弦が

糸であるので、矢を射たものとは思えない。節句道具であったか。節句道具の弓矢は
現在のものは台に太い短い弓と、矢1本が立ててあるものだ。
世の中には様々な弓矢が存在する。正月の破魔矢などもそのひとつだろう。