4-6、射撃に使う火縄銃
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火縄銃は骨董市場にかなり出ており、現在は価格も手ごろだ。しかしその中でグレードとしては「射撃に使える鉄砲」「演武に使える鉄砲」「飾りもの」と言う分類も、出来とか、作とか、象嵌とか、外部の程度の他にある。 「射撃に使える鉄砲」は少ない。恐らく10にひとつくらいか。 長筒の例で見てみよう。 口径は10㎝くらいから12・5mmくらいの銃身長100㎝、全長130㎝くらいが一般的である。口径が大きい、長さが短いものは、「十匁筒」までの間、競技には向かない。
程度で重要なのは銃腔内の状態だ。クリーングロッドに布をからませて内部が掃除できる程度にスムーズでないと難しい。その基準、見方は銃口の状態だ。 昔、射撃をしてそのまま掃除をしないで保管された鉄砲は、黒色火薬の腐食物質のために内部や火皿が朽ちてしまっている。銃口がきちっとしている、火皿が朽ちてない、こういうところから大体は内部の状態も判断できるが、正確には尾栓を抜いて、覗いてみる、内部に銃腔ライトを入れるなどして良く観察する必要がある。昔は内部にスリーブ(袖と言う意味)、別なパイプを挿入することが行われたが、現在はこれだけは一切禁止だ。
照星はこのような形では先が2mm、元が1mm程度の寸法である。口径10mm カラクリ(ロック)にはいろんな形式があるが、恐らく昔、競技射撃に使ったものは、調整ができるものであったと推定できる。また引き金の形などからもその鉄砲がどういう目的に使われたのか、推定できる。
火ばさみはあまり高く上がったものでなく、安全な程度低く、バネが強いものが良い。
口径は射撃に使ったものは10㎜、一匁筒からやや大きいくらいが良い。 照準器は、いずれにせよ現代人には理解が出来ない狙い難いものであるが、国際ルールでは真っ先に照準器のオリジナリティを見られる。これを自分が使い易いように改造したから、即、法律違反と言うことにはならないが、競技においては国内でもフェアでないことは言うまでもない。多くの照準器は15間、約27mくらいに合わせてあるから、競技50mでは、この種の銃の弾丸の直進性から上に行くものが多い。
照門の上の筋はとても細い、この寸法で1㎜、2mm以上のものは存在しなかったと考えて良い。 以上簡単ではあるが、射撃に良い銃の例に関して述べた。