洋式銃



4 、和製洋式銃装具の出来の良さ

日本では洋式銃は幕府から各藩へ軍備が推奨された19世紀半ば以降に火縄銃に替り製造された。
日本では輸入された装具は見てないので、小銃だけ輸入し、胴乱、管入れ、帯、銃剣差しなどの皮革装具は独自のものを製造したのだろう。火縄銃時代の名残もあり、また仕上げに漆を使う、家紋を入れるなどの特徴があり、欧米のものよりも高級感がある。金具が細いのが弱い点である。
○銃剣差 肩掛けの帯に槍状の銃剣差しを入れる。日本の歩兵は刀をもったので、銃剣は全ての銃に装着したたわけではない。前装銃の場合、銃剣を付けると火薬、弾丸の装填が難しくなる。しかし銃を保持したまま、刀剣で戦闘はできなかっただろう。

明治荷なっても歩兵は刀を差していたがそこに一種の矛盾があった。

胴乱1 胴帯にはさむ方式であり、管入れ(パーカション入れ)も「とも」だが、これはどこに管入れを保持したかは不明。皮革は柔らかくしたものを何枚か合わせてある。外国のものは一枚革なので、日本のものは何倍も手がかかっている。


内部は2重蓋で全体に漆仕上げで、家紋の入れ方が大胆である。

胴乱2 無地の内部がトタン製の箱 幕末、亜鉛合金のトタンは高級な金属であった。ミニエ方式の紙包弾薬は脂がひいてあり防水性は高かったが、さらに弾薬入れにも配慮した。シンプルながら漆の仕上げの上品な品である。

内部、ポケットが付いている。
恐らくクリーングパッチが入れてあったのであろう。

胴乱3 葵紋の木製内箱入りで、箱には縦に穴が開けられ、16発が収納される。

蓋の内側に雲の模様が入り、上手なものであろう。木箱の上部は薄い鉄板でおおわれている。肩負い帯が欠落している。横の帯は一緒に出た腰帯である。

胴乱4 板状の蓋のもの
笹紋2個入りでデザイン的には火縄銃の胴乱を踏襲しているが、蓋を頑丈に作ってある。内部はトタン製の箱入り。

胴乱5

笹紋の一般的な品であるが、負い帯と管入れが欠落している。
日本の胴乱は負い帯、管入れ、そして内部にはポケットが付いている。
仕上げは漆で皮革に漆を塗るには厖大な作業となる。しかし皮革が縮み効果を出して美しいと同時に丈夫である。パリ万博に出品されたこれらの品をみて
フランスの高級バッグはアイデアを得たと言われている。