洋式銃



 7 、難しいミニエ銃の弾合わせ

ミニエ式の銃、スプリングフィールド三つバンドとエンフィールド二つバンド、恐らく江戸期末期、1865-9年の輸入ものだ。大体、同じ口径で一緒に出た胴乱(弾入れ)に残っていた筋のない、底が窪んでいる弾丸がこれらに合うのだろう。

(オリジナル日本の弾丸)

① 径14.6㎜(.572インチ)、重量45g、長さ25㎜
これは銃口から少し入れるとライフルに噛む感じがする。実際に昨年、バージニア州でエンフィールド銃を撃ってみた感じでは相当に小さな弾を使う。グリースを塗るが果たして2発目がスムーズに入るかが鍵だ。
この弾は複数あるが、撃ってしまうわけにはいかない。江戸期のオリジナルもので多分、日本製だろう。

 

(するっと入ってしましそうな感じ)

そして各種の外国製の弾丸を合わせてみたが、まず失敗したのは口径の異なるものを購入したのにも関わらず同じものだったのだ。LEEの弾型で.58口径。柄が異なり、刻印がなかった。
② 径14.78㎜,40g,長さ20㎜で現代競技に使う銃弾を作るものだ、実戦の弾丸より短いのが特徴で、重量も軽くなっている。

(形が異なっただけ)

そして、参考のために4つの弾型を大先輩より借用してきた。左から

③ 径14.75㎜、重量40g、長さ23㎜
④ 径14.78㎜, 重量37g、長さ21㎜
⑤ 径14.85㎜, 重量45g、長さ23㎜、 先端が平たい
⑥ 径14.83㎜, 重量40g、長さ20.5㎜, 丸棒型

勿論、前記の二つの銃には大きすぎて入らない。

(大先輩が収集したもの)

日本ではミニエ銃は口径が14.66㎜(.577)と言っていた。聞くところでは.58口径と言っても、主流は.577で、前記のふたつの銃にはおそらく.572(14.53㎜)という最小の市販の弾型だろう。勿論、三つの筋も入っている。
更にダイスと、弾頭コレクターと言う道具もあるが使い方が分からない。

(ダイスなど)

丸玉ではLYMANと言う弾型が有名であり、丸玉はパッチを使うからある程度の許容範囲はあるが、ミニエにはない。またミニエは競技中、銃腔内のクリーニングはできない規則なのと、裾がひらいて浅いライフルに噛んで出て行く方式だから、その弾割(弾丸合わせ)はとても難しいが重要な研究だ。

(.58口径弾はどうしても入らない)

下はLEEの箱とLYMANの箱、これは柄が共通で型だけを交換できるもの

以上