洋式銃



 8 、明治の鉄砲用具一式

使っていた薬莢などから村田式銃など28番くらい鉄砲の道具などであろう。いずれも家に一式揃えておいて翌日の猟に使う弾薬を自ら装填したと言う。今では民具としてなかなか味わい深いものだ。いずれも囲炉裏の近くに置いてあったのであろう、煤けている。

1、 引き出し型

2段の引き出しになっており箱は29㎝x幅11㎝x高さ15㎝である。
太い革紐の付いたブラシが入ったおり、それは銃身内を掃除するものであったのだろう。散弾が布袋に、和式と洋式の中間のような玉型、真鍮の薬莢、火薬測り、雷管抜きなどが見られる。恐らく火薬は別な入れ物に入れてあり湿気ないように囲炉裏の上に吊るしておいたと言うが危険な収納だ。コイルスプリングが見られるので村田銃ではないかもしれない。また上下の引出しには別な火薬測りと雷管抜きがあるので、2挺の別な銃用に引き出し収納にした可能性がある。

手製に近い玉型だが正確なようだ。

2、 大型の箱 「火要心」

大きな箱で表に「火要心」と大きく書いてある。箱には漆が塗られていたようだ。箱は36㎝x幅24㎝x高さ11㎝で、内部には小さな仕切りが二つある。

また各種の真鍮薬莢があり、雷管の空箱もあるので、この箱に火薬、雷管、薬莢、散弾、ワッズなどを収めてあった。興味深いのは石でできた散弾の玉型で、裏と表があり、玉の寸法が異なる。5号と7・5号くらいの大きさ。
ここにもコイルスプリングが見られるが、村田式はこう棹の中に松葉バネが入っていた方式なので、普通のボルト式の銃も使っていたのだろう。「火要心」と書いてあったほどだからこの箱の中に黒色火薬が収納されていたのだろう。

石の散弾玉型

3、 小型の箱

25㎝x幅15㎝x高さ10㎝ほどの簡単な箱で恐らく蓋もあったであろう。
雷管抜き、火薬測り、布製の袋には散弾、そして切断した短い薬莢とダイスのような道具がある。一つの銃の道具だろう。

昔、農作物を守るために猟が盛んに行われていた頃の道具だ。秋になると手製の自分にあった弾薬を作り、村田銃や村の鍛冶屋が造った簡単な
猟銃を使ったのであろう。同じ口径、例えば28番でも薬莢の底部に凸があり、合わないものとか、長さの異なるものとか、が存在した。