11-6、和製狭間筒改造ウィルソン式銃
城から野に向ける、「狭間筒」(はざまつつ)と言う長大な火縄銃が城に用意されていた。会津城にもその種の鉄砲は存在したであろう。射的が長い。しかし装填しづらい。この鉄砲は全長が170㎝近くあり、二匁半だ。
(一般的な火縄銃の1・5倍の長さ)
元は火縄銃だったが、2回改造されたと推定される。1回目は管打ち銃に、このロックは良くできていて、ハーフコックもある。もしかしたら洋銃のものを使ったのかもしれない。(ロック下は良いもので、特にハンマーは日本製ではない)
(フルコックの状態)
2回目にウィルソン式の後装銃にした。日本では海老尻栓銃と言う。
横から入れる閂は正式には外れないが、これは取れてしまう。またボルト上には鉄板の被いが付けられて射撃の逆噴射が少しでも射手の顔にかからないような工夫もある。しかし後ろからガスはかなり漏れたであろう。
照星は銃身の上を後ろにずらして精密に製作した。
(光のかげんで木部が良く見えないが状態は良い)
どのくらいの射程があったのだろう。銃身100㎝で100mとして、150mくらいか。それでもうっかり近づいたら狙撃されただろう。以上