洋式銃



15、和製管打ち銃の射撃

前装銃射撃競技の「ベッテリー」は50mフリーピストル標的で、どんな発火方式の前装滑腔銃でも使える競技である。発火方式は、火縄(マッチ)、火打ち(フリント)、管打ち(パーカッション)である。管打ち(パーカッション)銃は完成度が高いので、分がある。日本では肩付け銃床と、和式火縄銃型銃床の銃と両方が使われる。
和式にも火縄銃改造と、元からパーカッション用に造られた銃とがある。
この銃は元から火縄銃型管打ち銃に造られたもので、銃床は短く、引き金は手前にある。
カラクリ(ロック)は長い。火縄銃に慣れていた人が猟用に注文した銃かもしれない。パーカションは19世紀、案外早くから日本でも使用されていたようだ。

image001

上、火縄銃の銃身につく火皿、下、管打ち銃の管(ニップル)

射撃の装填から撃つまでの過程はほとんど火縄銃と変わらないが、火縄の代わりに衝撃で発火する底のある小さな筒状管(キャップ)を、銃身の上の筒(ニップル)と呼ばれるに被せる。それをハンマーで打ち、底の雷硝を爆発させ、
銃身内の火薬に引火させて、弾丸を発射する仕組みだ。
キャップは発火モデルガンに使用するモノ7mmを使っている。なかなか力はあるが、実物の金属製に比較すると、管の上が塞がってしまうことがあり、次の発射が不発になる恐れがある。命中率も火縄銃と変わらない。
火打ち石式(フリントロック)が、強いバネを使うが、着火が瞬間遅れるでやや命中率は悪く1、この競技に使う選手はあまりいない。

image003

火縄を使わないだけ射撃の管理は楽だ。

この鉄砲

image005

銃身長105㎝、全長135㎝、九州の銃工岩永恒太郎作。やや長い。
目当ても火縄銃と同じ方式。口径11mmで、アメリカの440の丸玉を使う。

image007

日本の管打ち銃のハンマーは狐の形をしているものが多い。西洋の銃はハンマーがハーフコックと言い、途中で止まるが和銃は止まらないものが多い。

image009

ロックは、西洋の鉄砲に比べると、簡単な造り、シアレバーを長くして引き金を手元に持ってきている。シアのスプリングはコイルで、メインスプリングがやや弱い以外は良い造りだ。地板は真鍮製。左からのネジひとつで銃に固定する。地板とバネ、ハンマーが同じ金属でないことは故障の原因となることが多い。真鍮が柔らかいから留め軸の孔が緩んで外れてしまうからだ。

image011

尾栓は火縄銃型だが、ネジ切りは洋風で短い。
管(ニップル)のネジ山は洋銃のものとは合わない。

image013

銘は「鍛巻張」「岩永恒太郎作」と2面に火縄銃と同じように入れられている。

このような和銃の管打ち銃はかっては沢山見られたが、最近は少ない。
競技に使う銃として命中率は肩当て式の方が高いが面白さはある。
以上