17、藤岡流短筒の管打ち変換例
無銘であるが、備前筒の台、先、藤岡流短筒であっただろう。この見事な台をそのままに火縄式から管打ち式に変換してある。鉄質は良い。ロックの出来も日本製とは思えぬほど水準が高い。恐らく身分の高い人、もしかしたら民間人とも推定されるが、日本製の収容嚢に入れていたのだろう。
ロックが日本製と確証されるのはハンマーの形状だ。親指で上げることが出来ない。手でつまんで上げる。現在はハーフコックの位置で固定した。
尾栓に特徴がある。銃身が火縄式のものであった証拠だからだ。尾栓が長いので、内側をくり抜き、ニップルが入る位置に穴を開け、尾栓から銃身内の発射薬を発火させる方式だ。長い改造鉄砲にもあっただろうが、珍しい。ニップルを外さないと、尾栓もはずれない。
またニップルのネジ部の長さだ。これも通常の倍くらいある。
諸元は全長45㎝、銃身長24㎝、口径9.5㎜(一匁)
台は本物の虎布目で木材を縦に磨いて行くとこのようになる。
(陸上自衛隊武器学校展示品 無稼働)