洋式銃



 22、オランダ製ミニエ方式銃1865年製

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史料によるとこの粗製銃は世界で初の環孔照門を装着してあったそうだ。
照門は欠落している。逆T字の真ん中に孔、上部が谷になっていたものと
推定される。
幕末に日本に輸入されたのであろう。外観はゲベール銃もミニエ銃もあまり
差はない。ただこの寸法、全長120㎝、銃身長83㎝、二つバンドのゲベール銃はあまりない。ミニエ方式銃の大きさだ。口径はミニエ方式の15㎜弱。
銃床にスタンプが押してあり、P T SNIDERと言う社名とオランダの地名が、そして真ん中に「1865」の年号が。

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どこが粗末な造りと言うと床尾板の鉄が薄いだけでなく、ロックにハーフコックの切れ目がない。(これは米国南北戦争戦場で慣れない兵士がハーフコックにしたまま引き金を引き続けたと言うことがしばしばありハーフコックを潰してある銃も見られる)それに重要なことはロックを銃床に止めるネジが1本であることだ。2本でないと、これは安定が悪い。

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木材質や鉄質は良く、銃身は元は角、先は丸と凝ったつくりである。

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鳶の尾と用心鉄の柄が長いのは打ちモノ兵器としての役割を重んじたか。
ライフルが綺麗に残っていた。
(この項以上)