洋式銃



 16、洋式銃のロック機構

特徴)日本の火縄銃より複雑、機械的、発展段階があり、材質は鋼を使ったものが初期よりほとんどであった。日本の火縄銃は、火縄の生火を発火に使用するので、バネが弱く、カラクリの故障は少ない。私が競技に使用していた火縄銃は、3-4000発の発射の間、開けたことがなかった。(世界大会への途上、どこかの検査で火挟みをケースの縁に挟んで曲げてしまい、外して修理したことがあった。)

 

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火縄銃

1、火縄式、火打ち式

西洋、欧米の銃は、火縄銃機構の期間は短く、その間にホィールロックと言う燧石を使う複雑な機構を開発しているから燧石式(火打ち式)に16世紀、いとも簡単に変換した。燧石式は、ロック機構に特徴がある。勿論、火は石からでるのではなくて、当たる鉄から出る。石の整形が重要で、その専門職、ナッパーズと言う世襲制の仕事があった。ナッパーズはガンスミスと一緒にメイフラワー号にも乗りアメリカ大陸に行った。燧石を叩いて割り、薄い台形にする、両側に尖った部分が来るようになる。ハンマーの先が割れており、そこにこの石を皮革で包んで挟み、上から太いねじで上下を押さえる。強い松葉バネが3個必要だ。一つはハンマーの先の石があたるパンカバーの鉄だ。パンカバーがバネで強く閉まってないと、石が鉄板にあった時の衝撃が弱く、火花が出ない。後の二つはロックのハンマーを落とすものと、コックした時に引き金と釣り合いをとるための小型のもので、両方とも強い。
ロックに強いバネが3個も必要な要素は、良質な材料と正確な加工であったと
言える。17世紀頃から西欧ではそういう工業力が芽生えていた。
フリントロック銃は17,18世紀の主流であり、歩兵銃はとても特徴的だ。
照準器が散弾銃のように前方の帯の上に照星があるのみで、銃身全体で照準した。威力や機構はともかく、精度に関してははじめから、あきらめていた感がある。

2、管打ち銃(パーカション式)

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和製ゲベール銃

パーカションは19世紀初頭、ナポレオン戦争時代に生まれた。銃身にニップルと呼ばれる管をねじ込み、その頭にパーカションと言う筒状の雷管を被せる。
ハンマーの先はその頭を撃ち内側の雷硝を発火させ、管の内部をとおり銃身の底の火薬を発火させる。火打ち式より、発火の時間は瞬時になった。
パーカションは小さなものだが、大きな発明だった。名をパーカションは金属楽器(金属でできている)、ニップルは乳首からきた新語であった。

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ミニエ銃

3、引き金の形

日本の火縄銃カラクリの特徴は同じ火縄銃でも引き金の位置が極端に手前にあることだ。これは銃床を頬当てにするからだ。引き金の動きは長い弓なりの棒を伝わり、ロックの解除を行う。長いシアーは梃子の論理で、触っただけで落ちるのが一般的なくらい軽い。勿論、強いバネを使用してないことにもよるが。
この引き金の軽さは西欧の銃はセットトリッガーと言う仕組みで解決し、現代ライフルにも使用されている

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引いた状態

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(この項以上)