5 、紫電改
スミソニアン別館の展示機だ。またも海軍機かと言われそうだが、陸軍機はあまり現存していない。紫電改は製造数が400機くらいだが、アメリカには数機が現存していると推定される。稼働開始が1944年12月からと遅く、部品や燃料不足で稼働率が低く、多くが地上で鹵獲されたのだろう。「紫電改」は「紫電改のタカ」(ちばてつや作)であまりにも有名であるが、果たして国賊、源田 実の「三四三空」は言われるような戦果をあげたのであろうか。米軍資料では源田の戦果は小型機40機くらいと言われている。滝よりグリンナー少佐に分あり。
四国にもあるから格別珍しいものではないが、この機体、武装があり、程度は良い。
全長9.4m 全幅(スパン)12m、航続距離が短い局地戦闘機であった。翼内に20㎜機銃を4挺、計900発を備えていた。機銃の間隔が短いので、左右に弾倉があったのだろう。
上のB-29に比較してもそんなに小さい機体でない。性能が出せたなら、体当たりしても迎撃すべきであった。
この仕様は明らかにB-29迎撃だが、数か月で負け戦の見込み、源田のずるさが出ている。三四三空もようやく飛ばすことの出来るような操縦士しか残っていなかったのではないか。機体がこういうごちゃごちゃしたところの展示は目移りして良い写真も撮れない。(参考 碇 義朗著戦闘機「紫電改」)