8 、日本のジェットエンジンと熱田液冷エンジン

スミソニアン郊外博物館には日本の航空機エンジンが2種類展示されている。
それらは、

1、 中島双発ジェット攻撃機「橘花」に搭載されたジエットエンジン

アメリカはすでにF-80 と言うジェット機を日産10-30機程度生産していた。
これらは数年後、朝鮮戦争でF-86としてソ連のミグ戦闘機と戦う。ドイツはすでにMe262というジェット戦闘機が連合国の爆撃機を迎撃していた。1944年、ドイツの技術を海軍は潜水艦を派遣して持ち帰りつつあったがシンガポールで轟沈され日本には届かなかった。「橘花」は日本独自の開発であり、エンジンはターボで空技廠(海軍の航空技術開発部)が担当した。全長180㎝、直径62㎝、重量474㎏、回転11000rpm。
「橘花」は1945年8月7日に初飛行し、世界4番目のジェット機となった。
全長9.2m、スパン10m、軽量な機体だったが、このエンジン2基だけでは離陸できず、補助ロケットを使用した。鉄砲伝来の種子島家子孫、種子島時休大尉が担当した。下「橘花」(きっか)

 

2、 アイチ熱田31エンジン

観ての通り液冷だ。全長2m、幅70㎝、重量655㎏、1400馬力
日本の航空機はほとんど空冷エンジンだったが、ドイツから入れた陸軍の「飛燕」とこのエンジンが液冷だった。
このエンジンも同じところに展示されている。ダイムラーベンツV-12 と説明にある。前に登場した潜水艦搭載機「晴嵐」に、そして1500機製造された艦上爆撃機「彗星」に搭載された。遊就館に1機

展示されている。
復元が悪くぼこぼこの機体だが、貴重なものだ。彗星は優秀な機体だったが、活躍の機会は、負け戦になってからで、あまりなかったのは残念だが。