2-8、無線機類修理道具
① 収容嚢、袋だけだが無線機専用で、これはハワードの本にも中身は出てない。②③にあ
る道具の大規模なものだっただろう。道具を使うために出してしまい、収容嚢は日本語も読めないのでほっておいたのだろう。
7つの工具が入っていた。
③ 一号型手入れ具
道具数の多い組で緑がかった帆布を巻く形式で、手前からハンダ鏝、様々な道具をそなえてある。うれしいのは刷毛がそのまま綺麗に残っていることだ。海軍のものかもしれない。
その理由は下から2番目にあるナイフだ。スイスアミー式のもので、側が骨で作ってあるのが特徴だ。このようなナイフは海軍で個人装具としても使われた。
長い紐で巻く方式
12種の工具が収納されているが、「細目平捻」が欠けている。
④ 七号型手入れ具
道具数の少ない組 収容嚢に入り、腰に付ける。点の道具しかないがここにもハンダ鏝がある。野戦、電気のないところでどのようにして鏝を熱したか、推察するに炊飯用の燃料缶詰を使ったと思う。一番上のスパナはこの形ではない。3つの大きなものが一つになったもの。T字型にして使い易い。
私たちの年代、ハンダ鏝は上手下手あるが使える。以前、出張の帰り、航空機機内で外国工場にハンダ技術を教えに行ったという若い女性と隣合わせになった。今は機械でやるのだろうが、パネルの製作などハンダは必要不可欠だ。その人の話では世界中で日本人がハンダ技術は抜群に優秀だと言っていた。
5点の工具が内容物である。
実際、戦中、無線機を組み立てたのは小学高学年から女学校の少女たちだった。
⑤ 部品類
無線機のものか電話機のものか不明だが以下のものが見られる。
細かいコイルスプリングである。
以上