2-6、手回し発電機

六号無線機用発電機

人間が手で廻す発電機は現在でも災害用電灯、ラジオなどの用途で様々な商品が発売されているが、いずれも軽い素材で楽々使えるものだ。
ところが軍用無線機に使われていた発電機は大きくて重い。九四式は三号、五号でも発電機は使用されたが、主にこの六号用は無線機と組みになっていた。
発電機を運搬するだけでも兵士一人が必要だ。

8㎝、幅12.5㎝、高さ17㎝、重量は3.5㎏。肩がけする幅広の負い帯が付いており、収容嚢はその上から被せたのであろう。重い個体なので、収容嚢がもたない恐れがあったのではないか。両側の底が各5㎝外部に広がるので、運用の際の安定を考えてあった。ほぼ小銃1挺と同じ重量だ。

「二一号F型手回発電機接続要領図」に配電図がある。出力は-3V, + - 、+135Vとある。この使い方分間80回まわすとある。
銘板には『九四式六号無線機二一号F 101496 昭16、3月中央工業大森工場』とある。

 

 

 

底部の構造と出した状態

被い(厚い鉄製カバー)の外してある同じ形式のものを観察するとまん中に大きな磁石が入っておりこれが重さの原因だ。

被いのない発電機

以上