2-5、九四式五号受信機
アメリカで日本の通信機類を研究しているフロリダのウイリアム・L・ハワード氏のレポートだ。オンデマンドで作成してくれる。最後に話をしたのは10年以上も前だから現在健在かどうかは明らかではない。
この形の受信機は2台、同じような皮革製の被いがついたものと、金属匣だけの1個ある。
また、マイクが外されているのだが、聴音機だけがひとつある。
① 五号三二型受信機 東京第一陸軍造兵廠 昭和一八年四月 「軍事秘密」銘版が大きい 番号が
製造番号だとするとこの機械は20万台くらい製造されたことになるが。
② 同 東京沖電器株式会社 昭和一九年一月 「軍事秘密」銘版が小さい
リベットの多さから本体はアルミ製
沖電気社は現在も健在であり、業務用のITシステム部門などで業績をあげている。
③ 同 大阪 松下無線株式会社 昭和18年11月 「軍事秘密」銘版あり
寸法は横幅21㎝、奥行き14㎝、高さ22㎝、重量(電池なし)4.5kg。
上半分が蓋になっており開き、機械の表示板が出る。下は別になっており電源が入った。
パネルは、左上にスイッチ、横に「ヘテロダイン調整機」まん中に「同調/蓄電」これは大きな線輪であり、微妙に動かすことができる。上に「周波数輪転換機」I,II, III ,Vと4段階、と言う配置。
マイクと聴音機(ゴム帯に付いた)は六号と共通ではない。同じような形だが。
電鍵を使っての通信が多かったのではないか。
この聴音機は東洋通信機株式会社製昭17.11 同社は平成になり経営が悪化して防衛部門だけ日本電気に移行されたようだ。
電池は4号乾電池が使われてようで、これは電話機にも使われていた。
松下製と高砂工業製
松下(パナソニック)も高砂工業、両社とも現在も電池メーカーとして様々な蓄電池を開発製造している。以上