4-1、携帯用風向・風速計
明らかに、軍や航空機の移動に伴い持ち運ぶ戦場での気象観測に使われ器具だ。
製作は「昭和十六年10月」と銘板にあり、製作所は「中村浅吉測機器店」製造番号
NO9651だ。陸軍気象本部が杉並区に創立された年だ。箱の大きさは横26x 奥行き16x高さ11㎝で取手も使わない時は折りたためる、豪華なものだ。パテントも取っていた。
4つの部品で構成されている。
箱の作りも並みではない、昭十六、京の刻印。
2枚に分かれた羽根、羽根の反対側の矢、風力を測る羽根とその計器(廻る羽根の中にある)
それと基盤を兼ねた風向を示す方位計だ。この方位を示す時に正確な磁石が必要であった。
2枚に分かれた羽根は長さ22cm、反対側の矢は11㎝。重量でバランスをとっている。
風力計、風向計は円盤で直径8㎝。すべてが見事な職人芸でできている。こういう出来からも兵器という感じは受けない。但し色は兵器色だ。
中村 浅吉は戦前の高名な測量化であり、さまざまな測量の実績を残した。
器具を作る店は日本橋にあったと記録されている。
以上