2 、土工具
日本軍は本質的に燃料を必要とする機械使用を最小限として人間が土工作業を行った。工兵、歩兵、砲兵、騎兵、全ての兵科において様々な道具が使われた。使われた土工具で完全な形で残っているものは少ない。戦争が終わっても平和目的に持ち帰られて使われ消耗したからだ。
歩兵の標準装備としての小円匙(えんび)は頑丈で使い易いので、折りたたみ式のものを使っていたアメリカ軍に人気があった。
小円匙を背負った中国戦線の歩兵
円匙、斧、鶴はし、鎌、鋸などは機関銃陣地を作ったり、砲を据え付けたり、なんにでも必要なものだった。また鉄線条切断用挟みは戦闘用具だが、自分側の鉄線網を施設するにも必要だった。ほとんどが日本で入手したものだが、斧一丁だけは、吉田さんをΝJのサルコにお連れした際に彼に「日本のものだ」と言われた。程度は良い。
他鉄線挟収容嚢はアメリカで見つけた。なお、中田の小円匙その収容嚢などに時代を付けようと苦労したが、なかなか出来が良すぎて、古くならない。
小円匙は個人装具であり、背嚢に括りつけた。
重機関銃には中円匙、鶴はし、斧などが組で付属し、銃を設置する際に使われた。