8- 2、小刀 アーミーナイフ
日常生活に不可欠な刃物であるが、日本軍のものは小型である。一説には大きなものは銃剣を使用したとある。だが銃剣には刃が付いてなかったという人もいるが、アメリカで実物を観察したり、銃剣そのものを砥石を使い研いでいる図を見るにやはり鋭い刃が付けられていたのであろう。
小刀は兵全員に支給され、全長は70㎜、刃長は50㎜、それに缶切りがついているだけの簡単なものである。三条燕、関などの中小工場で造られそれらの会社の刻印が柄に入っているものもある。日中戦争中はカーキ色で、南方に行くに従い緑系に塗装されていた。使い込まれたものは刃が何度も研がれていたあとがある。恐らく日露戦争頃から同じものが使用されていたと推定される。