3-6、狙撃照準眼鏡
2.5倍と4倍がある。眼鏡の目的は狙撃目標を捉え、遠距離での命中率を上げると同時にレンズは薄暮の状態では目標が明確に捉える。また倍率を上げると、視野が狭くなる。
狙撃銃眼鏡、機関銃眼鏡ともに大宮工廠の元、日本光学、東京光学など約20社の会社が製造した。
日本の狙撃眼鏡は個々の銃にすでに合わせてあり、戦場で銃に合わす必要はなく、現代の照準眼鏡のように外部から線をいじることはできなかった。
レンズの線と数字は掘り込みではなく、手書きなので、筒を分解してレンズの曇りや
カビを取る際に注意することが必要なのは、線や数字が消えてしまわない注意をしなければならない。米国の専門家に聞いた話ではこれら日本の狙撃銃眼鏡を分解するにはネジをはずし、特殊工具を使い、外部から7-8の工程があるそうだ。米国ではほとんどの銃と眼鏡は合致してない。また眼鏡の方が少なく、銃はあるが眼鏡はないという状態だ。6.5mm弾と7.7mm弾の弾道が異なるが縦線は両方とも直線。偏流の横軸数字、20と40で分けてあった。収容嚢は軽機の場合、九六式用も九九式用もほとんど同じ形だが、狙撃銃眼鏡は構造や材質は同じでも様々な形、また負い紐が腰に廻るものもある。小銃の左横の横凹型溝の後方から装填する。
① 九七式狙撃銃6・5mm用
2.5倍であった。横軸偏流修正は20(経機と同じ)距離は直線縦軸で1400m
東京工廠大宮製2・5x10°㋑2165 収容嚢に昭十六年
「脱」と「装」に180度回る柄が表にあり、脱の状態で小銃の架台に挿入し、
装に回すと裏の銃への装着部が三つに分かており、その真ん中が上がり、固定する
機構。簡単だが、確固である。
収用嚢の負い帯が肩掛けだけでなく、腰回りにもあるもの昭和十七年日本光学製の
照準眼鏡のもの。
照準眼鏡を収容嚢に入れるには柄を脱にして、接眼鏡を下向きにする。
② 九九式狙撃銃用7.7mm用
2種類あり、2.5倍と4倍。同じ2.5倍でも上記のごとく縦線の長さが異なる。
1800mまで。
多くが4倍で2.5倍の7.7㎜用は少ない。4x13°。
この例は4倍。
機構は2・5倍用と同じである。
収用嚢が太いなどの特徴があり、この眼鏡は現存しているものが少ない。
(以上)