JAXAの将来性
先月、東京アメリカンクラブの家族ツアーで筑波のJAXAの公開日旅行に
行った。自分の車で行った方が気楽だが、JAXAが米国人家族一行に特別な配慮をしてくれたからだ。大型バス2台約100人が参加した。残念ながら日本人は世話役の会員以外、あまりいなかった。天気は秋晴れの素晴らしい一日だった。
驚いたのは出迎えて呉れたのは、宇宙飛行士若田 光一さんだった。
JAXA宇宙航空研究開発機構は、地球観測、天文観測の国際協力を行う
機関で現在1500名ほどの規模で年間予算は1500億円くらいだそうだ。
二つの政府機関が合併し、人員は1800名ほどから縮小された。
しかしその活動は年々活発になりすでに15回に日本人宇宙飛行士の宇宙飛行を
実施し、NASAと緊密な関係にある。
出迎えてくらた若田さん、
一応中に入り、和田さんを囲む会が行われたが、米国人家族は子供が彼に初歩的な質問、例えば「宇宙からみた地球の様子はどんなの?」みたいなものばかりだった。馬鹿馬鹿しい。
私は彼が6カ月間、宇宙ステーションに滞在したときに感じたことだが、彼の
言葉(この日も会話は全部英語だったが)の能力に関して質問したかった。
私は米国に合計12年間いたが、日本から来た日本人(たとえ配偶者が米国人でも)彼ほど、英語が上手な人間はみたことがなかった。
だからなぜ「そんなに英語をしゃべるだよー」と聞きたかったのだ。
それで、子供の間に割り込んで聞いた。
彼は一瞬答えを考えてなかったようだが、高校生のころから英語に関心があり
ラジオやそのほか聞く勉強を良くしたと言っていた。「聞く」相手の言うことが分かるから入るのはとても重要なので納得した。
日本の英語教育への教訓だ。
それから家族連れなどはあちこちの展示を見て回った。
H3ロケットのモックアップがあった。H2ロケットと同じだが、ブースターなしから4本まで様々な荷重を調整できるものだ。
モックアップをみると巨大なもので、これは一度打ち上げを見に行く機会が欲しいと感じた。
和田さんにはもうひとつ質問をした。会員の白い目で見られながら、奴らは内容を理解してないから。
ソユーズにおける行き来に関して。彼は3回か4回、飛んでいるので、スペースシャトルにも乗っている。
乗りここちと、着陸の際の爆薬のことを質問したのだ。
「そりゃスペースシャトルは航空機と同じで比べものにはなりませんが、爆薬の反動はたいしたことはない(正直な人なので顔に書いてあったが)との返事だった。ソユーズはアポロ計画、米国海軍が全世界を制覇していたころ、帰還したものをパラシュートで海面に落とし、近くに待機していた空母から救難ヘリが飛んで回収したのを地面でやるのだから、すごいと素人でも考えるが、米国人会員はあまり関心がないのだ。あれはソ連の時代、戦車を空中投下するために開発された技術で、
戦車の場合、4個のパラシュートで落とし、最後の最後、地表近くにおいて爆薬で着地させるという乱暴な方式だったからだ。
事実若田さんやその他の飛行士は、結構狭い機内と重なり大変で、命がけの着陸になるはずだ。
さまざまなJAXAへの協力会社の展示もあったが、焦点は「環境」だった。
太陽光や風、さまざまな自然エネルギーを研究している研究所がこのイベントに参加していた。また子供に宇宙の科学を教えるコーナーや、今度打ち上げる人工衛星なども展示してあった。とてつもなく大きなものだ。
日本は糸川博士がロケットを研究していた時代、上空に飛ばすことは禁じられていた。それで水平に走らせたのだ。またエネルギーに水を使い相当大きなものを飛ばすことも野原でやっていた。
その原点から考えると米国とロシアが協力しているのは宇宙ステーションくらいで、政治的にも意義がある。
そして、最後に若田さんは飛行士が宇宙で浴びる「ラジウム言う表現を使ったが、放射能、これは経験学的にしか分からない、このへんの研究はまだ始まったばかりだと。
それと日本はH2ロケットで「こうのとり」と言う貨物運搬機を飛ばしているが、
いずれ自前のロケットで人間を運んだり、戻したりしなければならない。
日本は宇宙開発には地政学に良い条件である。
太平洋を向いているので、地球の自転が利用できると同時にロケット破片は海中に落ちる。特に発射失敗の時、地上だと危険だ。ソ連や中国で、以前、有害な
物質が人の住むところに落下したことがあった。
新生JAXAの理念は、
1、 経営理念・・宇宙と空を活かし安全で豊かな社会を実現する。
2、 先進的な技術開発、幅広い英知でその成果を社会に展開する。
3、 行動宣言・・人々の喜び、人類、社会の英知を拡大させる。
などである。
以上、日本の宇宙開発のひとつの特徴は、米国、ロシア、欧州の国際的な
ネットワークを結ぶ大きな役目を負っており、さらに地球環境に対しての貢献、
新しい技術の開発、さまざまなものがあり、予算1500億円は少ないのではないか。(この項以上)