優れモノの翻訳もの資料
武器兵器に関しての水準が高い本、またその正確な内容を理解した翻訳は非常に少ない。これらの本は内容的に趣味の段階を超え、学術的なものであると言ってよい。
「武器」
ディビッド・ハーディング編集主幹、ダイヤグラムグループ編
「WEAPONS」武器、田島 優、北村 孝一訳 マール社 1982年A4版302ページ 当時\3,000- 再版し書店で入手可能。
この本には助けられた。30年近く前、入手来、武器兵器の歴史、古代から近代までの種類別の発展、その形状などを、数多くの見事なイラストで説明してある。僭越ながら間違いも極めて少ない。巻末の「固有名詞開設」「参考文献」「事項索引」なども充実しており、その知識の背景が正確であることを証明している。イラストでは兵器の形状だけでなく、その運用に関しての部分が良い。この本が発刊された後、インターネット上、ウィキなどでかなり詳細な情報がどのようなものでも閲覧可能になっているが、この本の情報優位性はいまだに高い。
「戦闘技術の歴史2中世編」「戦闘技術の歴史3近代編」
2、マシュー・ベネット他4名著、浅野明監修、野下陽子訳、創元社 2009年
3、クリステル・ヨルゲンセン他4名著、同上、2010年 B5版約370ページ
すでに古代編1が発刊されており、4ナポレオンの時代編、5東洋編が発刊予定である。
2はAD500-1500、3は1500-1763の期間を網羅しており、主として欧州、そして2ではその相手であったイスラム勢力の武器兵器と戦術、具体的な戦闘を描いている。当時の絵画とイラストと膨大な文章がその表現方法である。
戦闘においては攻撃、防御、築城などの変遷が内容である。
日本への鉄砲伝来、その欧州における時代背景を知るためにも重要な資料である。3の終了は年代で分かるとおり欧州の「産業革命」だ。産業革命の背景が日本の教科書で教えている繊維工業発達などと言う背景だけでなく、軍事、武器兵器であるということを証明している。