日本唯一、日本の大砲に関する本
日本唯一、日本の大砲に関する本
「日本の大砲」はビジネスマン2人がまとめた明治以降、日本大砲の百科事典である。砲の用途別分類、当時の写真、図面を駆使して全てを網羅してある。
開発された「試製」と呼ばれたが制式になってなかった兵器も含んでいる。
各法の諸元、性能、なども漏れはない。但し、各々に砲が生産された数量は記されてない。付表として砲弾、信管の表がある。
日本の武器兵器は研究していくと特に銃砲に関しては「明治以降が面白い」。日本の特殊な歴史、世界史的にも危機であった16世紀、それから19世紀までの間、日本は平和期で武器兵器発展は特に緩慢であった。それに比較して、19世紀半ばからの4分の3世紀間の兵器に関する意欲は、富国強兵、殖産興業に表されているように、国家としての最大課題、理念であったからだ。西欧列強に約30年間で追いつき、その後は西欧以外唯一の列強として国家の生存をこれに掛けてきたのだったからだ。兵器史を研究するに無視の出来ない事実である。
大砲は近世から近代への文明の転換の一つの象徴であり、産業革命の影響が強く出た兵器であった。歴史は切ってある部分だけを取り外すことのできない学問である。そのような意味ではこの本は誰もやらなかった研究にアマチュアが挑戦したところにも意義がある。
日本の大砲 竹内昭・佐山二郎共著
出版協同社 昭和61年 29x17cm449ページ
内容はI野山砲、II野戦重砲、III要塞砲(攻守城砲)、IV歩兵砲/対戦車砲、
V戦車砲/自走砲、VI 迫撃砲/噴進砲、VII 高射砲/機関砲、VIII船載火砲、
IX列車砲。