外国もの資料の重要性
日本で出版されている武器兵器カテゴリーの資料、書籍は少ない。今は平和な時代であり、この題目に対しての人々の関心が薄いからであろう。いろんな本は書かれているが、戦記に基づいたもの、また対象年齢を低くして、言葉遣いなども子供向けにエンタ的カジュアルなものも今一つ正確性に疑問がある。古文書だけで書いた研究も客観性が薄い。現在、大砲を研究しているが、国内には大砲の成り立ち、定義、発達、能力、歴史、などを書いた内容の書籍はほとんどない。私は米国にエドウィン・F・リビー教授と言う協力者がいる。大学に出入りする業者さんルートなどからテーマに従い、即、何かしらの資料は届く。英語で読むと言うことはあるが、言葉や歴史を知ることができ、何よりも日本にはない情報が多く包含されている。ドイツやフランスでも多くの出版物があるが大体が英語に翻訳されている。
ARTILLERY through the ages
by Albert Manucy 1947 14x21cm 92P
「アーティレリィ」は大砲、砲術などを意味する軍事言葉で、普通はキャノンと言う。この本は副題に「アメリカで使われた様々な大砲のイラスト集」とあるように、18世紀末独立戦争から19世紀半ば南北戦争に至るまでのさまざまな大砲が分かり易いイラストで説明されている。表紙は当時、欧米で一般的であった前装の4斤野砲であろう。敵も味方も同じものを使っていた。艦載砲、要塞砲、南北戦争では多くの数が使用された、それらの架台、道具、砲弾なども記されている。
GUNPOWDER ARTILLERY 1600-1700
by John Norris A4版 158P
英国の出版物。大砲を大型投擲兵器と分類するために火薬と言う言葉をあえて付けた。砲は17世紀に発達した。欧州の航海時代に使われ、一部は交易物として使われたからだ。英国の各種デモイベントの写真で当時の砲兵なども紹介している。日本の原始的大砲と言うのもあるが?芝辻砲の影響か。要塞砲の記述が多い。要塞砲は架台に特徴があり、船舶砲と共通する部分も見られるが背が高い。この時期、日本は鎖国したが、欧州では30年戦争などで砲は急激に発達した。
GUNPOWDER a history of the explosive that changed the world
By Jack Kelly14x20cm 240P
英国の出版物。火薬の出現により使わるようになった砲、これらに焦点を充てている。英国では主に船舶砲が発達し、戦艦が造られるようになった。
16世紀から産業革命18世紀末まで砲はあまり発達しなかった。最初は後装式、
前装式になり、地上、要塞、船舶用に各々分かれたが、機能や性能は250年間欧州でもあまり極端な発達はなかった。