図解戦国武将別「日本の合戦40」

若林木蔵、山向将著
東洋経済新聞社刊、A5判、パートカラー207ページ、
2010年6月新刊 \1600-
現在の時代ブーム・戦国ブームにのって企画された本であろう。戦国時代15世紀半ばから16世紀半ばまでの上杉、武田、徳川、今川、北条、小田、斎藤、毛利など郡雄割拠した時代の戦闘をひとつひとう切り離し、分析してある。これは良い着眼だ。しかし鉄砲の出現が戦国時代に与えて影響、鉄砲の実態、定義、威力、運用、その結果に関しての記述は極めて少ない。1000-3000の鉄砲が戦闘に使用されただろう。馬はその音に驚いたか驚かなかったか、のコラムはある。軍勢が山を登り、下りて勝負がついただけでは不足だ。もうすこし科学的、論理的に書いてくれないと、漫画かゲームにしか役に立たぬ。書く人間が鉄砲の実態を知らないのであろう。鉄砲知らずして戦国時代は語れず。