骨董掘り出し人生

中島誠之助著「骨董掘り出し人生」朝日新書

私たちの研究や収集には骨董屋さんとの付き合いは切っては切れないものがあるし、彼らの協力なしでは済まないものもある。昔は「古物屋ごときに」と見下す先輩たちもいたが、それは結局自分が損をしたのではないか。この本には鉄砲や銃砲史古文書などの例はない。中島氏は「何でも鑑定団」で鉄砲以外のことを担当しているからだ。
古伊万里とか、書画、茶道具いかにも骨董の言うジャンルだが、共通する概念はある。この本は中島氏の修行から現在までの様々な経験を語った内容だ。また、別な人だが、鉄砲や砲術古文書も実に詳しく良く知っていて、私が求めるものを魔法のように出す長い信頼関係のある人たちもいる。彼らに教えられたことも多い。骨董を掘り出すとは言うが「掘り出し」とは10倍、「大掘り出し」は100倍と言うから、「目が利く」x「運」があろう。贋作・新物、これには参る。必ず皆騙される。最近は業者さん間で騙されて、お客にモノが行き問題が大きくなるケースがある。中島氏は「贋作あってもよい」としているが、鉄砲は銃刀法があるから贋作・新物はまずい。