図説日本の合戦武具事典
笠間良彦著
柏書房 2004年 B5版390ページ3800円
2000年代の初頭、特にこの年は歴史もの、考証もの本が多く出版された。世紀が代わり、多くの著者が刺激されたのか。高名な笠間先生の本。
「道具に宿る武士の美学」と言う副題にあるとおり、日本の武具は戦闘と言う物理的な目的に、それらを使う侍の精神が付加されている。
内容は、第一部 武具 1、弓具 2、刀、長柄もの 3、鉄砲
第二部 陣営具 1、陣の設営 2、陣の小物
第三部 馬 1、日本馬 2、馬具 3、馬の周辺
各々の武具をイラストで数多く紹介している。
大砲に関しては「石火矢とは大砲のことである」と簡潔に定義してあるが、自在砲架などの種類が多い。鉄砲は変わりモノにこだわり過ぎているのではないか。全体の数%しか存在しない実用に耐えるかどうか分からない連発式とか多銃身銃を延々と描くよりも、一般的な銃を詳しく描くのが適切と感じた。
武具に、陣営、馬を同格に描いているのは珍しい。弓具も詳しい。