アメリカ人も早くから日本軍兵器研究を始めていた この本が363番
今では日本でも多くの研究者が日本軍兵器の本を書いている。我らが先輩小橋 良夫氏もその先駆者だった。しかしそれより前に幾つかの出版がなされ、その内容の程度は高かった。今回紹介するハーレー・ダービー氏の「日本帝国の拳銃」は比較的新しいもので、1981年、出版され、そのカラー写真は日本人が撮影した。
ダービー氏の息子は沖縄で戦死していた。
この本はA4版278ページで最初の8ページがカラーである。
図面、刻印、数量、弾薬、収容嚢、負い紐、その他、日本の拳銃に関しては全てを網羅していると言って良い。
十四年式の撃発部品のバリエーション
日本は拳銃国ではなく、拳銃は軽機関銃手の補助兵器、憲兵などに
使用された。一部は将校が購入し、私物として保持したが、将校の拳銃は輸入品も多い。
日野・小室式の特許図面 これは32ACP弾用
日野・小室式に始まり、二十六年式、そして8mm南部弾を使う南部系の拳銃3種。特に南部の左右非対称の美しさをいろんな角度から写真に載せている。一方、多く生産された十四年式。そして九四式など。それらのバリエーションの多さを上手に生産年により分類している。
帆布製の十四年式収容嚢。多分南方で皮革製収容嚢が崩れてしまい、手製で作成したものだろう。ダービー氏の収集と研究の動機は息子を失ったことだろう。電話で2-3回、お話した。萱場の社史は彼にいただいたものだ。