鉢洗いの行事に鉄砲44挺を清掃
新宿鉄砲百人組は2年に一回の演武を行い、演武の後には「鉢洗い」言葉の由来は分からないが、役員、会員、全員が集まり装具や鉄砲を整理整頓し、清掃手入れして、それから御苦労さん会が始まった。
英字新聞に掲載された今年の百人隊の演武
この演武団体の規模は大きい。そして装具や鉄砲はほとんどが皆当神社に保管されている会の所有、管理である。
今年はその鉄砲の清掃の指揮を言われ、以下の要領で約2時間半かけ行い、宴会開始の5分前、10月30日(日)、すでに暗くなり始めた時に終了した。
鉄砲手入れには15-6人の「同心」が集まり、各自分担し流れ作業で行ったので、このくらいの時間内である程度の整備が行われたが、実際には一人一挺で3-40分間は掛る作業だ。
作業の手順は、
1、 銃をざっと見て、銃身と銃床に分ける。
2、 銃身は尾栓を付けたまま、バケツに立てて、真鍮の洗い矢でポンプをするように腔内を洗う。ぬるいお湯に洗剤を入れ、黒色火薬の煤を落とす。
エムオカ氏が応援に駆け付けた。
3、 銃身を逆様にして、火皿、雨覆い、火蓋部分をブラシでこすり、汚れを落とす。
4、 尾栓を清掃している
同時に銃床は逆にして別なバケツの同じような液に、火挟みの先の部分をブラシで洗う。
5、 尾栓を開ける。水に付けたので、開けやすい。
6、 尾栓のみを磨く。
7、 銃身に熱湯を通す。火皿にも。火孔から銃尾に出るように、やけどをしないように注意して。
8、 銃身、銃床、尾栓をセットにし、熱い銃身を乾かしながら次の工程に。
9、 銃床を椿油で拭く。
10、 火孔をパイプクリーナーで清掃する。
11、 銃身の内外に油を塗る。これが重要だ。錆を防ぐために。
12、 尾栓を銃身に付け、銃床と組み立てる。
13、責任者が確認し、箱に収納する。
14、全ての箱を保管庫に入れる。
最初に尾栓を付けたまま洗い矢でポンプするのは尾栓を開けると、洗い矢の先の布がネジに絡むからだ。またポンプにより火孔の汚れが落ちる。熱湯で仕上げるのは鉄部が乾き易いからだ。
このほかにも布を裂く、数本用意した洗い矢に布を付けるなど、全てが分担して行われた。
問題は銃腔内が乾くまでの時間を短縮し、吹き、洗い矢で水気をとったが、ドライヤーのような機器があればより効率的だった。お湯も横で沸かせば良かったが。次の課題。
熱意ある人間と手があったので、何とか、44挺全ての清掃をすることが出来た。
当日午後は天気が今一つでポツリポツリと時々来る。そのたびに箱や鉄砲の上にシートを掛ける。しかし幸いなことに大降りにならないで作業を終えることができた。箱などが濡れていることが考えられので、時々の虫干しを依頼して置いた。
修理をあれこれしてくれたブラス氏もずっと付き合ってリスト作りに励んで呉れた。
大イベントは2年に一回、その間に小イベントが幾つかある。その都度に上記の手順で鉄砲を清掃しておけば永久に持つものなのだが。以上
他の装具も整理整頓