1- 1、九七式手榴弾
擲弾筒(後述)に使用された九一式を元に単なる投擲用として昭和12年(1937)から昭和16年(1941)まで780万個が生産された。日中戦争に主に投入されたが、太平洋で鹵獲されたものも多い。
全長99㎜(本体69.5㎜)、直径48㎜、縁経50㎜、重量450g、TNT爆薬62g、打撃発火曳火4-5秒遅延信管。信管の被いは薄い真鍮の板の筒で下部は4分割されている。U字型針金の安全ピンで押さえられている。内部には撃針ブロック、巻きバネ、発火薬が上に、下の筒に曳火信管、その先に起爆薬が底に近いところにある。
鋳物容器の表面に縦5列、横10列の深い筋が入っており、爆発と同時に鉄片が粉々になり飛ぶことだ。信管の被いは安全ピンを抜くと、
外れてしまう可能性がある。真ん中に窪みが廻っており、そこをゴム、もしくは紐で押さえていたであろう。そのような固定が無くても、指で押さえてピンを抜けば問題はない。
容器の上部は蓋になっており、蓋を開けて爆薬を装填した。信管もねじ込みであるが、信管の穴から爆薬を装填するのは非効率的で時間がかかるので、容器の蓋は重要な要素だ。