九七式6.5㎜狙撃銃用改造3倍光学照準眼鏡
元は九七式6.5㎜用眼鏡だった。眼鏡は前後のレンズが壊れていた。戦闘によるものだろう。その架台(マウント)のみを使用して、もう20年くらい前になるか、向島の名人がこの3倍のライフルスコープを取り付けて呉れた。名人芸だ。勿論溶接は出来ないから斜めに切って小さなネジで止めてある。帝国日本軍の狙撃銃は九七式6.5㎜と九九式7.7㎜の両種あったが、銃より眼鏡は少ない。眼鏡ははじめから銃に合わせてあり、眼鏡の外部には調整輪がないのが特徴だ。銃を発射した際に相当の振動、反動があるから、銃の尾筒(レシーバー)横に付いている凹字型のレールに差し込んで、眼鏡の柄を「脱」から「装」に回すと、レールに挿入された部分のまん中が上にあがり、しっかりと固定される仕組みだ。眼鏡自体、九七式用(2.5倍)と九九式用(2.5倍と4倍がある)は弾丸の軌道が異なるのでレンズの線が異なり共通ではない。
でもこの眼鏡なら九七式でも九九式でも兼用だ。(九九式狙撃銃の2.5倍の実物を見てないのでレールが同じ寸法かは明言できないが。4倍は九七式の架台よりやや大きい1.5mmくらいか)このレンズには単に十字が切ってあるだけだからどんな弾薬にも使用できよう。日本の軍用狙撃眼鏡はかなり頑丈に出来ており、レンズの線や文字も手作業で書いてあったそうだ。オリジナルの眼鏡を現在射撃に使用すると、内部の塗料が落ちたりするが、この眼鏡はそういう意味では心配がない。とにかく日本のモノに限らず狙撃眼鏡はとても価格が高い。この架台だと自分の好みで眼鏡は交換出来る。
裏のレールに入る部分
この眼鏡を「バンザイメンバー」に見せたら、その後「日本の壊れた狙撃眼鏡求む」のアドを何回か見た。しかしアメリカの職人にはこれ以上のものは出来ないだろう。以上