1- 3、九八式木柄付手榴弾
九八式木柄付き手榴弾(昭和13年1938)
ドイツ式手榴弾は中国軍が多く使用していた。そのサイズはこの手榴弾の倍近くあり重いものだった。九八式手榴弾は昭和13年(1938)の一年間のみ
工廠で95,580個生産され中国戦線に送られた。たまに中国戦線の写真で、日本軍兵士がこの手榴弾を保持している姿が見られる。
全長200㎜、鉄部80㎜、木柄120㎜、直径50㎜、蓋部直径37㎜、重量600g、ピクリン酸80gであった。日本軍兵士には極めて手ごろで威力ある手榴弾だった。
発火が上記の二つと異なっており、摩擦発火4-5秒遅延式である。底部の蓋を
あけて丸い針金輪をとりだし。輪に指を掛けて紐を引くとフリクション(摩擦)で発火した。この手榴弾を工員さんがドイツに輸出したとお話していたそうであるが、手榴弾のような兵器を日本から欧州まで運搬する効率は考えられない。