文化都市新潟県「長岡市」の文化度
新潟市の文化人は、県立歴史博物館、県立美術館が、県庁所在地の新潟でなく長岡に移転、もしくはある、と言うことであせりを覚えているように同級生の話から感じた。距離的には東京―横浜くらいのところだと思うが。
また長岡は様々な文化人を輩出した文化都市であると同時に、戊辰戦争の英雄長岡藩河井 継之助、第二次世界大戦帝国海軍連合艦隊司令官山本 五十六元帥の地でもある。しかし、ガトリングの項にも書いたが、その資料や展示はとても研究者の満足を満たすものではないのだ。
その格差はあるが幾つかの施設を紹介したい。
1、 新潟県立歴史博物館
立派である
不便な場所にあるが、素晴らしい施設だ。展示は「縄文」と「雪国の生活、米造り」に集約されているが、そのジオラマは臨場感があり、何回か観ても飽きぬ魅力がある。新潟と言えは「雪と米」しかないのか、と言う感はあったが、
雪の生活を耐える県民性、そして雪が育てた大地と水が造る米。これはやはり新潟ならではだ。北日本には縄文文化、日本の原点、家族主義と生活の工夫が多様にあった。恐らく、南西からきた稲作文化と、かなり長い間重複していたのだろう。上杉 謙信の世界は分かり易い。新田開発の努力も。できれば段々に新潟の商業、工業、(石油採掘などあるが、名古屋工廠の元、兵器生産に励んだ事実)なども紹介して欲しい。
2、 長岡市郷土資料館
もとは長岡城がなかった山の上に城風の建物を建設し、主に長岡の政治、経済、文化に貢献した偉人の紹介で、「米百俵」の逸話と教育、近代産業の興隆、文化全般を紹介しているが系統だってない。
ガトリングもお粗末だ。
3、 山本 五十六(元帥)記念館
町の中心地ある個人の施設の感じがある。元帥に関する資料はかなり多数あり、特に元帥が戦死した時に搭乗していた一式陸攻一部をガダルカナルから持ち帰り展示してある。ただ「無念」と言う感情を込めた展示とは言えないのと、
全体的に元帥の日本帝国における位置づけがあいまいであった。
一式陸攻の翼、肖像画、書など展示物は豊富だ。
4、 河井 継之助記念館
「現代人は学べ 本当の武士道」ここの展示も目玉はガトリング砲だ。
戊辰戦争では河井の名は必ず出てくる。幕末と言う一時期、北日本の後進性と言うか、日本の政治の流れに遅れた悲劇、その当たりを論理的に説明して欲しい。場所は3、と近く、長岡駅から歩いて行ける街中だ。
まとめ:
長岡は歴史的、文化的、そしてドラマ豊かな場所であると思う。
しかし県立歴史博物館はともかく、2、3、4はひとつにして、もう少し展示物などを充実させ、学芸員が管理する施設とすれば長岡市にとって大きな観光資源になるのではないか。もったいない。と感じた。
以下、各所で観た銃砲関連の展示物であるが、数も種類も意外なほど少ない。