UH-1の飛行

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ヘリコプターの操縦は同じ空を飛ぶもの、固定翼機とまったく異なると言ってよい。固定翼機は三つの舵とエンジン出力が基本だ。回転翼は翼の角度、ピッチを変えるコントロールバーの扱いが全てと言って良いほど重要だ。
多くのミスはこの操作を誤ることで発生する。昔、ロビンソン22と言う小型機で練習をしたことがある。コントロールバーはパイロットの左、ステック(操縦棹)は右にある。コントロールバーは発動機の回転数も操作する。
ほとんどのヘリはサイドバイサイドで機長席は右である。(AHはタンデム、固定翼機の機長席は左側)

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(コントロールバーの動きは小さい)

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UH-1は多くのベトナム戦争映画でおなじみだ。M-60機銃を左右に出し、
一個分隊ほどの兵士を載せ、機銃を撃ち続けながら、高度1mくらいでホバリングして、兵士は次々と草が強い風でなびく地面に飛び降りる、シーンだ。
16000機が生産され、日本の陸上自衛隊でも100機くらいがまだ現役だ。
1500馬力エンジン、4トンの搭載力があり、山林火災に出動することが一番多いそうだ。

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ヘリは狭い場所から離着陸できる、ホバリング(空中で停まれる)、などの利点はあるが、先に述べたように操縦は難しい。自衛隊には多くのヘリがあり、多くの操縦者がいる。

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当日、風は2-3mと弱く、私たちは朝霞を飛び、荒川上を経て、スカイツリー方面に向かうが、有視界飛行の条件は、確か半径300m以内で一番高い構造物から
さらに300mと言う規定があるので、スカイツリーには近寄らなかった。
またコースは万が一を考えて河川敷の上を選んだ。

操縦士の様を観ていると、計器とスイッチ類、のチェックは綿密に行い、エンジンを掛ける。これは、ローターがうなりながらエンジンに行くので、しばらく掛る感じである。

コントロールバーの上部の環を回して回転数を一定にする。離陸は回転を上げて行うのではなく、回転が上がってから、ローターのピッチを変えることで、揚力を発生させる。映画で回転が極端にあがり離陸するのは後で音を入れてあるのだ。コントロールバーはほんの少ししか動かさない。

数m上昇すると、脚で機体を上昇する方向、風に正対させ、ステックを使い上昇していく。この時一番気分が良い。

ロビンソンの操縦席から眞下はほとんど見えなかったが、UH-1は床が透明になっており、地面が見える。対空警戒の重要性はどんな飛ぶものでも同じ。

方向きを変える時には軽くバンク(傾き)を付けるのは固定翼と同じだ。

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大体1000フィートだったと思うが、その高度で近くを一周してくれた。

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(似たような景色だからスカイツリーには行く必要はない)
高速道路が増えた、いろんな色の新幹線が走っている、ケイ館長の板橋郷土資料館も右に見える。残念ながら好天であったが、風がないので高層ビル群がはっきり見えなかった。(下は赤塚城跡と板橋郷土資料館)

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着陸は風に正対して侵入し、数mで90度消防車の方に向かい、降りる。
ほとんどショックはない。

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(下降している様子)

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なお、いつもだが、ヘリが到着する間際にどこともなく消防車がやってきて
これに立ち会う。

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人間が降りたら、またそのまま上昇して東富士に向かって帰って行った。