東北地方自衛隊航空基地の現状
はじめに)先週、東部方面隊研修で東北地方の航空基地2箇所を訪れた。
松島基地と三沢基地だ。
いずれも3年前の震災が基地の現状及び運営に大きな影響を未だ与えていると感じた。
松島基地は震災津波で大被害を受けた、数多くの機材が失われそのなかには国防上重要なF-2戦闘機も数多く含まれている。幸い、T-4で編成されるブルーインパルスは九州地方に出張っており、被害を免れたが、滑走路を始め、施設の津波対策は大きな作業だ。現在、航空機格納庫はかさあげた一角にあり、演習、運用の一部は三沢基地で行われている。被害の様子は映像で観ただけでは実感としては弱かった。だが津波の被害を受けた地域を含め、また当時の様子を直接説明受けることで、具体的かつ明確になったのは多いなる成果であった。
1、 松島基地
仙台市内から一時間くらい海岸に向かった地域にある。約1000名の隊員が勤務している。操縦士養成の第4航空団とブルーインパルスの基地である。
戦略上は首都圏の北方向、百里―松島―三沢という一線になる。
大戦中は海軍基地で「一式陸攻、銀河、月光」など大型機の基地だった。
現在、2700m、1500m、2本の滑走路を有し、また基地の形状が整っている。
しかし海抜2mと海岸に近いので3年前の東日本災害の津波でなすすべもなく
大きな被害を受けた。
被害はF-2B(複座機)x18機、T-4x4機、捜索機U125A x2機、UH-60捜索ヘリx4機、計28機の前代未聞の大被害だった。当時の感想では津波到達までに時間があったので全機空中に出せば、と感じていた。だが、聴くに余震が多く、滑走路の状況が分からないので司令は人命を優先した判断を下したそうだ。
現在、訓練機材が足りないので、一部訓練は三沢基地で行われている。ブルーインパルスはこの4mかさ上げした地帯に以前の格納庫を移動させ活躍の拠点としている。一方、捜索隊は少し離れたところにかさ上げした台地に新格納庫を建設し新機材が待機している。真新しいUH-60が2機、各納されていた。
次の段階では滑走路、誘導路をかさ上げすることも計画されていることであろう。
まずは①ブルーインパルスの部隊
当日はブルーインパルスの訓練風景を見学する予定であったが、雨天、雲底が低く、飛行を見学するのは不可能とのことで、格納庫において以下のごとく
ブルーインパルス仕様のT-4をじっくり見る、触ることが出来た。飛んでいるはいつでもどこでも観るので、このほうが価値あったかもしれない。
(整備風景、下、整備部隊も選りすぐりの隊員と聴いている)
(搭乗用タラップを付けて中を見せてくれた、下)
(機体左右、下)
広報ビデオより4番機
②救難機各納庫
一方、捜索隊は少し離れたところにかさ上げした台地に新格納庫を建設し新機材が待機している。(真新しいUH-60が2機、下)
一機が格能されていた。
(訓練用のダミー、ストレッチ、パラシュートなど)
(ヘリの捜索用のレーダー)
次の段階では滑走路、誘導路をかさ上げすることも計画されていることであろう。エプロンは作業が行われていた。
管制塔は新しいものが完成し、近く移転されるそうだ。
かさ上げ工事は今も続いている。
津波は不幸なる事件で大きな被害をもたらしたがこれを機に隊員の気力、装備等を拡充し国土防衛の先端になる優秀なる操縦士育成に励んでほしいと感じたしだい。
(この項以上)