三沢基地(青森県)
今までモノで読み、見たりした情報から想像していたところとは大分違うなと言う感があった。新幹線八戸駅から車で小一時間、下北半島の根元に位置する。東側は太平洋、西側は湖だ。米軍との共用基地で基地内は米軍の規則に従う。米軍の機密管理は厳しく、視線を向けることすらためらう雰囲気であった。米兵は一人も見ず。
敷地は4kmx4kmと広大なまったいらな基地だ。60%弱を米軍、陸海空の約1万人が使う。40%弱が弾薬庫など共用部分、そして僅かに1%が空自が使っている部分だ。
今回の研修では①実用のF-2戦闘機の見学、操縦席に座る、と②管制室見学の2か所であった。
米軍はF-16が配備されているが、その数量は一定でなく、また機密だそうだ。夜間訓練を実施する。管制塔より格納庫を数えると最大でも3個中隊くらいの規模ではないか。また海陸軍は大規模な通信傍受施設を保持していると言われている。北朝鮮、ロシアの通信だろう。まさに東アジアの耳なのではないか?
松島基地の訓練業務一部も現在はここで行われている。
① F-2戦闘機
米国航空祭りでみたF-16を基本にしているが単発軽戦闘機とは言え、重武装可能、迫力がある。感心したのは塗装だ。
カレンダーなどでみるのと実際飛んでいるものをみるのでは感じが異なる。上からみると海上に、下から見ると空に、と言う偽装だ。翼が大きく尾部が頑丈そうで、F-16を上回っている。外ではタッチアンドゴーをしている音がしきりに聞こえるが見ることは不能だった。残念。
操縦席に座ると、しっくりくる。そして見晴らしが良いので驚いた。輸送機の
小さな窓とは大違いだ。当然、触ることはしなかつたが、ステック、各種スイッチ類も手が行きやすい。搭乗に際して、持ち物は全て、ポケットから出して、靴も脱いだ。
② 三沢管制隊管制塔
9階まで歩いて上がった10名ほどのデジタル迷彩を着用した隊員が勤務していたが3名は女性であった。
エリアコントロールは別な部屋にあり、上はローカルコントロール、エリアのレーダーもある、グランドコントロールと、電話回線2本(消防と気象か)で5名が勤務している。4時間交代だそうだ。皆、英語力が高く、説明ビデオではトム・クルーズのような米兵が「トップガン」のテーマに合わせ、「ここのコントロールは能力高く、信頼できるね」、とべた褒めだった。
米軍施設はずっと遠くまで見えるが写真は撮影できない。
ここの滑走路は3000mx50mありフルサイズだ。空自は3,100名が勤務している。
三沢基地広報のエヌ三佐(ブラックユーモアのうまい方だったが)青森県には7か所の自衛隊基地があり、12,000人が配備されている。県人口の約1%に当たる、と説明した。青森はまさに北の防人の地だ。
また、北方、六ヶ所村手前に対地射撃場(7万平米)があり、ここから飛んで行き射撃訓練が可能だ。作業隊は24時間勤務で除雪作業を行うなど幅広い任務を説明してくれた。感謝。
(素晴らしいF-2操縦士のエンブレム)
(E-2C翼を折りたたんでいた もともと艦載機なのでこうできる)
まとめ)
松島基地、三沢基地で研修し、国産の練習機、戦闘機を主に見学した。
昨今の緊迫した日本の空を守るには、国産の機材、優秀な隊員、操縦士並びにそれを補助するその他要員、訓練システム、が緊急に必要であると痛感した。
また松島基地の整備は緊急の課題のひとつだ。
(この項以上)