弓矢の雑学事典

『弓矢の雑学事典』
日本武道学会・弓道専門分科会編
共著:森俊雄、佐藤明、黒須憲、松尾牧則、山田奨治
B4判、287ページ、一部カラー、定価本体2,000-
スキージャーナル株式会社刊

isbn978-4-7899-2130-5

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内容は、日本の弓矢の歴史、管理と修理、取り扱いのマナー、おもしろお役立ち雑学など盛りだくさんな内容を以下4部に編集してある。

第一章「歴史」
第二章「管理と修理」
第三章「取り扱いのマナー」、これはもっと知りたかったが少ない。
第四章「雑学」と分かれている。
歴史の視点は面白い、特に戦闘の間合いが15間と言うことから
鉄砲もそうだが、約27mの距離で射た。

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戦国期の鏃の使用法、
相手の身分により異なるものを使用すること、それからシャーマニズムや神格化する様々な行事、こういう説明も良い。
ただ、多くの種類あった様々な装具や参勤交代の弓の運搬、そういうものにはあまり記載がない。流鏑馬も。
また日本の弓矢の国際的な独自性、「矢は竹」をつかう、とかその他
細かい歴史や優雅さを書くスペースがなかったのだろう。
弓の管理、手入れ、理論に関してはかなり詳しい。弓矢を射る者に
とってはバイブル的な存在であろう。

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日本の弓矢の理論、初速、羽根の仕組み、こういうものは歴史的には変わらないから役に立つ情報だ。

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矢の回転
昨今は伝統的な素材でなく、弓はカーボン素材、矢もジュラルミン、カーボンなどを使うことが多いようだ。いずれにせよ、伝統を守って呉れればこれも一つの日本の特徴になろう。

弓矢の部署や仕草、その他、名称を知るには良い。しかし共著の宿命として編集では頑張ったのだろうが、重複している内容が多いのが欠点だ。
【この項以上】