平成26年総火夜間演習を見学
はじめに)昨年はエライ目にあった。昼の演習が終わり、駒門の近くの温泉で食事、風呂に入り、また何時間もしないうちに夕食。両食事とも相当なる量。
そして駐車場が下だった。20分ほど山登り。足元は悪い。
スタンドに座ると霧がもくもくと出てくる。74式戦車のサーチライトが
100m先も届かない。「中止だ」また足場の悪い真っ暗な道を下りて、最終的には帰宅したのは午前2時だった。
今年は昼間演習が終わりすぐホテル、昼食、温泉、部屋で休み、悠々と出た。
夕食は車のなかで弁当と軽く。それに泊まることになっていたし。
天気もまずまずだが、山の天気だけは油断ができない。
そして車で上がって行くと駐車場は司令塔の直ぐ脇、スタンドまで2-3分のところ。でもシートはもう湿っていた。
1、「戦闘は夜間に起こる」
これが戦闘員訓練の鉄則だと聞いた。なるほど、帝国日本軍も同じことを言い、
陸、海軍とも野戦の訓練を積んだ。レーダーが一般的でない大戦初期、帝国海軍は夜の戦闘では連勝だった。陸軍も同じ、米軍が煙草を吸ったり、話をしたりしているのを囮だと思ったそうだ。夜戦訓練の重要性は軍事の基本だ。
この時はまだ薄暮が終わったと言うか明るさが残っている
前の白いのがシート席で最前列にカメラがいた。
74式戦車のサーチライト 雲の高さを見ていた
2、照明弾の役目
照明弾には大別し2種類ある。昔はサーチライトが主な手段だったが、照明めがけて集中弾がきた。今はぱっと付けて、視界をみて直ぐ消す。
照明弾は両方とも81mm、120 mm 迫撃砲から発射する.
一つはパラシュートで落とす燃える照明弾だ。数百mの高さから数分間、ダイヤ型に広がり、100万キャンデルの明るさで数キロm四方を昼間にする。それらが地面に到達する前に次を、と次々に発射して、その地帯を継続的に明るくし、
砲や銃は照準を合わせ攻撃する仕組みのもの。
もうひとつは暗視鏡用に赤外線用照明弾だ。(理屈は良く分からないが、暗視鏡に目標が浮き上がるそうだ)
火力が集中する様子発射する弾丸にトレイサーや焼夷弾がまぜてある。手前の
赤点が火器。これは暗視鏡で照準していた。この照明弾は赤いドットにしか見えない。
3、暗視装置の多種類化
個人用の暗視装置は特殊部隊、一般の歩兵にも欠かせないものだ。大体がウエアブルになっており、手は使わない。機銃、携帯ロケット、砲などには照準器として付いている。系統的にまとめた資料は少ないが夜間の照準には欠かせないものだ。戦車なども昼間と同じように撃てるはずだ。
着弾の光
夜間演習は実質35分間の短いものだが、真っ暗で何も見えないところで敵の攻撃を防ぐという戦闘上の重要な要素をうまく説明してくれた。
始まった頃は霧が心配されたが、終了時には星空が見えていた。
富士山の山小屋の明かり、富士山型に。登山客も
おどろいただろう。
(この項以上)