1- 5、投擲訓練用手榴弾

①日本の投擲訓練手榴弾

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戦前、各種学校において軍事教練がなされ、重要な科目に「手榴弾投擲」があった。そのために様々な訓練用素材が製造された。
右から鉄製九七型(ピンを抜く要素あり)、鉄製(あらゆるタイプの投擲に合致)
ゴム製(ソリッドなゴムで万が一、人に当たっても被害が少ない)、そして
素焼きの陶器製(ピンを抜く要素あり)で恐らく全て、民間で使用されていたものだろう。手榴弾は安全ピンを抜く、打撃する、良く狙いを定めて投擲する
と、野球の選手を除けば、遠くに投擲するのはかなりの訓練がいる。肩も
痛める。また手順に慣れなければ、軍の訓練は元より、実戦で実物を素人が使えるものではないと言って良い。重量は一番軽いのが素焼きの陶器製で350gくらいこれは砂場に投げたと言われている。重い鉄製は500g弱だ。
② 十年式擲弾筒用十年式訓練手榴弾

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この訓練手榴弾には信管もあり、発射薬もあった。従って十年式擲弾筒実射訓練に使用してものだと考えられる。左が実物の十年式手榴弾を元にした九一式。訓練用には下に環が付いており、そこにリボンなどを結び、航跡を見ると同時に回収をし易くしたと推定される。
③ 米軍の日本軍投擲訓練手榴弾

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左から九九式、八九式柄付き、八七式。柄付きは鉄製だが、あとはムクのアルミで重量は実物と同じ位に調整してある。これは地雷などと一緒に箱に入れられ訓練用として用意されたもの。空挺部隊など自らの装備数が限られた要員には積極的に敵側の兵器使用訓練をした。九九式には信管要素はなく、八七式にはあったが画像のものには欠落している。
この項以上