日米共同方面隊指揮所演習 YS-67 研修

先週(12月2日-15日)まで陸上自衛隊朝霞駐屯地で実施されていた同演習を研修した。日米安保の指針は選挙で遅れ来年になる予定であるが、有事は待ってはくれない。定期的に行っている大規模な指揮所演習で、今回は米陸軍1100名、陸上自衛隊東部方面隊1400名、計2500名が参加する、所謂机上演習だ。
Yは米軍のシンボル「赤富士」、Sは陸上自衛隊の「桜」だ。

image001

天地人は頭の闘いを意味し、帰るときランザ中将に偶然行きあった。

見学自体は秘匿箇所が多く、カメラ、携帯は預けて、撮影はできなかった。

有事の想定は架空のものだった。新潟、佐渡に敵の侵攻があり、同時に東京の盛り場(新宿など)で、ゲリラ活動が発生する。
その両面に如何に日米が協力して兵力を進展させ、敵侵攻をくいとめるが
何が予測されるか?何が必要なのか?どのくらいの兵力、兵站など総合的に必要で配備するか、そしてその運用はどう行うのかを、日米の「頭脳」が考える訓練が目的である。

image002
同盟国同士、日ごろのコミニュニケーションがなければ出来ない作戦だ。

まずは30m四方ほどの建物に行く。
二階から見るが、日米の隊員がパソコンを前に情報の分析に当たっている。
これらの情報が中央指揮所に送られ、そこで兵力の運営を行う。
恐らく400名ほどの隊員が多角的に情報を得ている様子だ。
ケン玉にふけっていた米兵がいた。

中央指揮所は100m四方くらいのとてつもない大型な天幕だ。
そこに4個の大型スクリーンがあり、状況が各々表示されている。
衛星打ち上げの指揮所の感で、スクリーンの前部は階段状にやはり、数百の
日米の隊員がパソコンに向かい、各々の分担の指示を現場に与え、その効果を
観る役目を行っていた。

image003
日本本土の有事は当然国民を巻き込む。国民保護法は自衛隊の外だが、地方自治体、他の省庁も巻き込んで、犠牲を少なくする具体案を出してもらう。
本当に新潟に敵が上陸したら、新潟県知事は直ぐに降伏するだろうが、これは
国家の仕事だ。

今回の想定は日本列島を二つに分断するような敵勢力へ、となっていたが、
実際は西部方面の、沖縄などが危ない領域であろう。一部は九州、及び
周辺の島々だ。
当然、誰かが発言していたが、海や空、それらもこのプログラムに入っていなければ意味はない。

島々に対しての反抗も、艦艇だけでは無理だ。
艦砲の射撃は徹底的にやらねばならないが、住民がいるかもしれない、上陸した味方の勢力がいるかもしれない。様々な要素を考えねばならない。

image004

先回も書いたがまず敵はサイバー攻撃からきて、このような指揮所と現場の
情報のやり取りを妨害するだろう。太いケーブルをみて感じた。

1000名以上の米陸軍の隊員が朝霞駐屯地に2週間以上も滞在するのも大変な
ことだ。彼らの宿舎の天幕も見学した。多量に作られた仮設トイレも。
天幕がとてもうまくできているのに驚いた。床になっており、大雨にも耐えるよう樋があり、二重で防寒もよさそうだが。あくまでも仮設のものだ。

駐屯地は敵の攻撃に合わせ、この細長い国土を移動する。
この兵站も大変な作業だ。まず有事になれば当然ながら一般国民も日常の生活はできない。そのために国家の指針を早く作らねばならない。
(この項以上)