横田基地の実態-研修報告

はじめに)
横田基地は都心から1時間、以前、石原都知事が米国民航機も米軍人のために運航しているから、首都圏の第三の空港としての返還を政府に働きかけた。
だが、今回の研修で感じたことは、三沢基地と同じく完全な在日米軍基地で、
すでに基地内の米国化は完成しており、見学できるスポットも少なかった。
滑走路は大きいが返還は無理だ。

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航空自衛隊司令部の移転)
ここから東に15㎞の距離にあった航空自衛隊司令部を3年半前に米軍司令部の
隣に移転させ、極東の空の防衛の一元化、共同化の新しい連携に踏み出した。
この基地に航空自衛隊には実用の運用機は配備されてない。米軍および国連軍は、兵站のハブに使用しているようだ。C-130輸送機が飛び交い、ここから、
近隣の米軍拠点に仕分けして輸送するのが大きな役目のようだ。
説明にあった概況は以下の通りだ。
1、 移転の意義
2、 主要任務
3、 領域
4、 スクランブルの実態

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基地の規模)
沖縄を除くと日本で最大の米軍基地である。在日空軍は第五空軍で、約10000人の関係者が生活している。米兵4000人、家族4000人、それに日本人従業員2000人。生活に必要なものは全て揃っており、例えば保育園、小学校2校、
中学校、高校各1校、それに大学の一部もある。その他、医療、娯楽、ショッピングセンターなど。
全体をぐるりと回った恐らく25kmくらいあっただろうが、見る限り大滑走路
3000x60m、一部の航空関連施設以外は無計画に拡張された感がある。
それに隣接する自治体が幾つもあり、鉄道、道路などが不自然に曲がりくねり、例により、隣接するところ、住宅が密集している。
戦後、陸軍立川飛行場を元に、朝鮮戦争中のB-29の発信基地、さらにベトナム戦争の兵站基地と、この70年間に於いて、一貫した使われ方をしてなかったからであろう。

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東京に長く住んでいても、名前は聞いても「横田基地」と言う存在は意識的に明確なものでなかったが、今回の訪問で非常にはっきりした。

研修内容と例の喫食)
先輩は熱心に聞いていた。

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食事は航空自衛隊だけは自前だそうだ。大規模な駐屯地は業者に任せ、仕入れ、栄養士、残飯処理までやっているが。
今回は年寄りばかりと、ご飯の量は少なくしていたが、きちんとテーブルに用意されていた心遣いを感じた。

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基地機能整理の必要性)
とにかく3000mx60mの大滑走路はあまり存在しない。(日本に3箇所)
有事の際の兵站基地としては都市にも、工場地帯にも近く、最適の基地だ。またアジア全体へのハブ基地にもなっている。

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C-130

戦前は立川飛行場、首都圏防空のための帝国陸軍飛行場だった。
下は当時の防空戦、疾風。

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当たり前だが)
戦後70年間、日本の左翼、メディアは米軍を悪者としてきた。だから日本全国、
米4軍の基地、補給所など全て日本人には否定的に取られてきた。
今回の研修で、良かったのは実地の見学や説明は少なかったが、最後の1時間、
基地内のショピングモールのなかで自由行動があったことだ。私はスーパーマーケットのなかを観て回ったが、米国内の大規模スーパーの約倍の規模、米国で販売しているコモディティは何でもあった。しかし我々訪問者は購入出来ない。
ポークとビーフも別な売り場と言うのも初めて見た。リブアイビーフの塊、2kgくらいあろう32ドルだったので、消費税入れ4000円か、米人フロアマネジャーに駄目もとで買いたいと言った。「司令官の許可書がいりますよ」と言われた。「じゃトイレを使わせて下さい」「どうぞどうぞ」と場所まで案内してくれ
親切なのだ。

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だがこのトイレはピカピカに磨いてあるが、日本ではどこでもみないウォシュレットのない、ドアの下が開いている米国製だった。頭痛薬の「アドビル」(なぜか日本では売ってない)があった。横にいた夫婦に「私の替りにレジでチェックアウトしてくれ」と頼んだ。困った顔をして「できないんだよね」と正直だ。この事実だけでも米軍は信頼できよう。
新鮮野菜を含め、全ての商品は米国本土から直送しているので、貿易額に入ってないそうだ。

在日米軍基地の方向性)

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こういう訳で話は戻るが、基地のなかでも米国の良い部分は沢山見た。
米国軍人の日本への関心や興味も高い。しかしなぜか円滑な交流を聴いたことがない。基地内に小学校は2校あるが、折角の機会だからと、日本の小学校に通わす軍人もいるそうだ。横須賀のミサイル駆逐艦を見学した時も半分くらいの乗員は日本語を理解しているな、と感じた。
基地の見学は日本国籍の人間には解放しているが、三国人は駄目だ。免許証に本籍地を記載しなくなったのも、中国や第三国の仕業かもしれない。
もうひとつの問題は大滑走路、その周辺が朝鮮戦争、ベトナム戦争そしてそのままになっておりグーグルでみると、凸凹で不規則な形状で効率的な使われ方をしてない。
ほとんどが国有地だそうだ。

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沖縄もそうだが、近代基地として日米両軍の基地として再編する、恐らく無駄な予算や時間が使われているのではないか?と言うのが感想だ。
基地内の高装宿舎も空き部屋だらけだそうだ。基地外にアパートを借りたほうが楽しいのだろう。家族持ちの下士官の家は米国の典型的なワーキングクラスのものだ。庭を見れば分かる。
ダンプスター(ゴミ箱)も米国から持ってきたもののようだ。

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(この項以上)