感激した戦闘機運用

概況)平成27年5月末航空自衛隊小松基地での研修を受けた。同基地は中部方面区のなかで、主に日本海方面の防備に当たっている。当然、目の前には北朝鮮の脅威が存在する。小松には第6航空団、
F-35戦闘機部隊二つ、40機が主な装備だが、当然、中間練習機、捜索機、救難ヘリそしてそれら数多い機体を整備する、運航する、管理する部門があり大きな組織だ。

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現在の任務は領空侵犯に対するスクランブル飛行だ。
司令所は入間基地である。

第二次大戦中の帝国日本陸海軍は7万機の航空機を生産し、優秀な機体も多かったが発動機系の問題で稼働率が非常に悪かったそうだ。稼働率が良ければ
空襲に対する戦略も違ったものになったであろう。

基地の特徴)基地は広い。民航機と共用ではあるが、2700mx45mの滑走路を持つ。

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F-15の隊列、3機の小隊2個がずらっと並んでいるのは圧巻である。
それが向かい合い、午後から夕方にかけての訓練の準備をしていた。

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一方、格納庫のなかには2機、Ⅰ機は整備中、Ⅰ機は我々の説明用であった。

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老兵も搭乗す

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計器の配置は分かり易く、視界も良い。武装は左で操作する。

訓練飛行)午後になるとエプロンの機体があわただしい。一番手前はT-4で技量チェックに使用するのであろう。時々飛ぶと言っていた。
外部点検がおわり、一番外側の機体からエンジンを掛ける。特徴ある10万馬力、キィーンと言う音が響く、さらに次の機体とつぎつぎ6機のエンジンが全てかかる。計器、操縦系統などのチェックが続いている。

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F-15は大型機である。翼の面積はテニスコート一面有ると言う。
訓練が始まるとなると、捜索機、救難機などもスタンバイする。

まず2機が並んで誘導路を走る。続いて小隊長かⅠ機、これが2組。
滑走路の端でまた点検。

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それらが終了すると2機がサイドバイサイドで離陸、およそ数百mの滑走距離であろう。ちょっと間を置いてⅠ機が。

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バスで移動し、次の格納庫とエプロンに行くとまったく同じ光景が見える。

日本海の守り)BMDを搭載した日米のイージス艦何艦が展開している。これの長距離弾道弾の撃墜率は良くて80%と言われている。さらに撃ち漏らしたものをPAC3が国内から、空自、陸自が発射される。これも命中率80%と言う。
数字上は万全だが、相手が何発の弾道弾をどこにどのように発射するかが不明だから国内に落下する可能性はあろう。
戦闘機部隊はあくまで領空を意図的に犯してきた機に対してのものだ。
この監視は飛行場で行うのでなく、全国30近いレーダーサイトからの情報をどこかで分析している。

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管制塔を見学する)地上44mで360度の景観は抜群だ。内部の写真は撮影出来ない。数名の隊員が目視で地上を動く、また離着陸する機体とのコミュニケーションを観る。緊張感がある。

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その下の階に窓のない部屋に数名の隊員が、飛行場周辺、もっと広い地域の飛ぶ物体を監視している。中波の機械のようだ。
三沢基地でも感じたが管制塔の役目はとても重要で、恐らくこの体制が確実なものであれば事故の半分は防げると感じた。

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基地の課題)基地だけでなく、航空自衛隊全体のものだろうが、F-15の後継機は決まっている。問題は訓練だ。一人前の操縦士の養成には6-7年間掛る。
しかも多数の操縦士だ。この計画、体制造りが当面の課題であろう。

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結論)いろいろな基地(外国も含め)見学をしてみると、その基地の錬度や規律、効率などの要素が何となく判定できる。

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航空自衛隊、小松戦闘機部隊は高い錬度を誇り、しかも機材の稼働率は極限に近いまで高いと感じた。操縦士だけでなくバックアップの錬度も高いからだ。
(この項以上)