3-1、十年式擲弾筒

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大正10年(1921)制定の十年式手榴弾に発射筒(ブースター)を付けて使用する擲弾筒である。特徴は滑腔であるが、発射筒側面の8個のガス穴に角度が付いており、手榴弾が回転して飛んでいくように出来ている。また到達距離は
筒底側面のガスポートの開け具合で調整した。

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全長525㎜、筒長240㎜、口径50㎜、重量2600gとコンパクトであり、さらに全部の部品が筒の内部に収容されると言う優れた設計だった。「兵器芸術品」時代の代表作で約7000門が主に南部で生産された。最大射程は220mであった。手榴弾の他にも照明弾、信号弾、発煙弾などが最大高度120mまで発射できた。発射の際は45度の角度に設定した。

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軽いので革の収容嚢に入れ、肩掛けで運搬した。南部、名古屋工廠、昭和12年の製造。