狩猟の獲物処理のはなし
いつも米国風の狩猟をしている。重要なのはガイドだ。幸いとなりのタケちゃんにガイドを頼み、僕の軽四輪であらかじめ走る場所の所有者の許可を得ておく。猪が彼らの地所に出てくるのを狙撃するのだ。
犬も銃を持つ仲間もいない。
山の反対側で昼早く雉や山鳥を探して撃つ、僕の散弾銃は重い、飾りがついているので、とても山に持って出るものではないが、これしかない。スキート用の銃身にチョークを使い、上下機能を合わせてある。
このガイドはタケちゃんだ。30年間来の付き合い。喧嘩もするが、土地勘は一番で、運転も上手だ。5日間狩猟したが、犬もいないのに雉を幾つか撃った。
タケちゃんが見つけてくるので。欲を言えば、もうワンテンポ待って欲しいが、
場所が分からなくなるのだろう。と言うのはワンテンポでもう一、二羽飛び出すことがあるからだ。
そのあたりで騒ぐと猪が出る場所が勘で分かるそうだ。今度はそっち側に回る。
5日間で11頭見た。
しかし全部に発砲できるわけでない。道路をまたいでいたり、人間の姿を見たり、
弾丸の飛んでいく方向(命中してもまだ先に行く)、それを総合的に考えて射撃できるものだけを撃つ。大体、伏せて撃った。狙撃だ。
猪は暗くなると出てくる。狩猟は日の出から日没までなので、日没との闘いだ。
毎日、調べるが4時20分ころだった。
でも山の影はもっと早く暗くなる。天気は良すぎた。雲が多いと早く出る。
山からとんとんと田畑だったところに降りて来る。全身が見える。大きいのから中型まで。子供はいなかった。
ライフルはスコープを4倍にして使う。スコープは的が大きく見えるだけでなく明るい。
そんなかんやで、2頭を仕留めた。1頭は80kgくらいの大型で、一旦倒れて
立ち上がり、渓流を越えたこところで息絶えた。これは地元に進呈。僕たち二人では出せない。距離は80mくらい、Ⅰ頭は100mくらいの距離だが外した。
もう1頭は大胆にも仲間3頭と、道路の近くの田圃にいた。道路からは撃てない。
田圃を行き過ぎて、車を降りて、道路外の草山に伏せて中型のものを撃った。この時もう1頭撃てたが、タケちゃんに当たると危ないのでやめた。後ろは崖だったので安心。
広いあぜ道の近くだったので、四輪軽をタケちゃんが上手に入れる。
後部を片付けて、ブルーシートを広げ、そこに二人で両足をもち上げて入れるが重い。
後で測った、全長135cm、体重60kg弱だった。これで中型だ。
もう暗い。もう一度ふたつの銃の装填を調べて車に乗った。
まず、僕の家の渓流に行った。そこでタケちゃんが内蔵を抜く。今夜はそれまでだ。深いところに本体は沈めた。内臓は渓流の横の岩に置いたが。
翌朝、何も残ってなかった。カラスではない。暗くなりおいて、朝は比較的早く見たからだ。
あれだけのものを食べてしまう何かがその近くにいるはずだ。
内蔵抜きは30分間くらい。水をバケツでくんで空になった腹を洗い、血を流す。
太い腸、胃、肺、肝臓、などが体から出されたが、幸い弾丸は内蔵を避けた。
暗いので車のライトを使った。この作業はいろいろ手伝えた。
翌朝、それかの作業は僕には出番がない。これでは本格的ハンターではないが。
内蔵を抜き、水から上げた状態。
タケちゃん夫婦が手際よく行い、約一時間で終了した。
下にプレートを敷いた。
なかなか美顔の猪、牝。
頭と足先を鉈で落とす。大型カッターで毛皮を剥がす。四肢を離す、胴体を解体するという手順だ。脂身でまずは白い。
頭、脚先、毛皮はその獲物を得た場所により補助金が出る。肉の塊ももって行った。それで放射能を測定するが、基準以下になっていた。
一晩、冷たい流れ水で汚れと血は抜けていた。
弾丸が入ったところは穴だが、出たところは大きい。背中から尻に抜けた。
この部分は食べることはできないので捨てる。
タケちゃん夫婦は手慣れたもので、なんでもできる。