1- 7、九一式擲弾筒用手榴弾を投擲用手榴弾に変換

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九一式擲弾筒用手榴弾にはまだ知らないことが多い。安全ピンを抜く、十年式か八九式擲弾筒に砲口から装填する。発射する。元は手榴弾なので、曳火信管である。発射の際、砲弾には1000Gと言われる力がかかったと言うが撃発前にあの薄く緩い被帽が外れ撃針などがばらばらになりはしないか。被帽の凹を針金で巻いてあったとも言われているが、教本には記載はない。
曳火信管は飛んでいく時間が長いので7-8秒にセットしてあった。それに短い4-5秒用の信管を付けて投擲用にしたものがある。
投擲に7-8秒の信管は長すぎる。投げ返される恐れがあるからだ。

image002ハンダは素人作業だ

擲弾筒用の手榴弾の縁にハンダで4個の凸をつけ、上部と下部二重に、50㎜の
擲弾筒に入らないようにしたあるものが時たま見られる。これらは下部の発射薬筒(ブースター)部分を白く塗ってある。信管は4-5秒になっている。
なぜこういうことをしたか。想像するに擲弾筒用の弾薬の期限切れのものを
現場でこのように改造したのではないか。ハンダは素人作業である。

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白いペンキが大分はげている

また被帽の下部を切って短くしたものは、教本の図にあるが、実物はみたことはない。このものも下がばらばらなので吉田さんが切りそろえてしまったものだ。

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なお、信管の火道に刻まれている「四―五秒」の文字は手で刻まれている。
もしかしたら、全ての作業が現場で行われ、工廠にもどされたものではない、
かもしれない。

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信管が4-5秒のものを擲弾筒で発射すると、軌道の途中で爆発し、味方に危険であることは言うまでもない。