1- 8、九七式手榴弾『被帽』のディスプレー用の製作
無稼働の本体には被帽が欠落したものが多い。手榴弾を処理する際に、素人のGIが信管を叩いてしまうと、被帽は破損してしまう。このような部品に予備と言うものはない。中身もない。中国で最近、金属製のレプリカが造られ日本でも販売されたそうだ。しかし被帽だけは輸入しないという返事。
製造は、恐らく、町工場が厚さ0.3㎜の真鍮板を、凹凸の型でプレスして手作業で製作したものだっただろう。
中国では手作りで型を製造しても割が合うのだろうが。またプラモデルもある。
この被帽だけを使う手もあるが、観察するに小さいようだ。
そして最後の出現は、ブラス氏だ。ブラス氏に私のアイデアを送ったが、職人技の常で渋い返事だった。しかし、被帽欠落の本体は程度が良くないので、型を製造して貰うわけにはいかない。画像が、信管筒部分と被帽をブラス氏が製作したものだが見事な出来だ。信管筒はムクでネジ山もない。あまり本物に近いのは好ましくないからだ。ネジ山装着もアイデアがある。さすがは職人技、きちんと出来ていた。本体も色を塗り直し、文珍替りに使う、こういう目的だ。
しかも一日でこの画像は届いた。
町工場は戦時増産になり、熟練労働者、材料は不足した。それで真ん中の窪みが緩いものを製造せざるを得なくなったと想像する。他の兵器も大体細かい部分はそういう経済的事情があった。(この項以上)