平成30年日本の安全保障を考える 「安全保障研究会講義議論」より
はじめに)
現況の国際情勢を見回せば日本人ほど呑気な国民はいないだろう。
安倍内閣は世界の現状をかなり意識している。日米安全保障の枠組みを変え、有事を想定し、
多くはないが国防費を増額し、新しい兵器を導入しつつある。
一方、安倍氏自身、河野外相を起用し、2人で各々目的をもち世界各地を訪れては外交に
誠心している。しかし外国勢力の影響を受けた野党のサボタージュのよる遅延は大きい。
私は、「本年(平成30年)を第三次世界大戦の始まりの年」と定義した。
勿論、第一次大戦の塹壕戦、第二次大戦の海戦、空戦、都市空爆、核兵器使用などとは異なる形であり、世界がふたつに分かれる構造でもない。
兵器は各段に発達し、宇宙、サイバー、生物化学、テロリズムなどの多様な形式の戦争だが、全世界を巻き込むだろう。歴史はのちに2018年を私が言うように定義するだろう。一方冷戦期を含め、米国以外に本格的に戦争をした経験をもつ軍隊がある国も稀である。つまり多くの人類は戦闘経験がないのだ。
第三次世界大戦の怖さは敵の顔が見えない。核や大量破壊兵器が使われる。敵と同盟が入り混じる。
この3点に尽きるのではないか。
幸い我日本国は過去数十年間、所謂左翼の平和憲法下で、防衛型戦略で
もって戦闘する「独自防衛兵器」に特化してきた。
そのひとつが警戒監視、哨戒、潜水艦などだ。改造すれば使える空母も用意した。石破が攻撃力のあるF-2
戦闘機の生産を打ち切った決定をしたには残念だが。
1、国際情勢急激な変化と日本の関係
幾つかある世界の危機を整理すると、以下のようになろう。
① EUの不安定化
② 米国独自の方向を堅持、特にトランプ大統領の個性に振り回されている
③ 中東におけるロシア、トルコの対立
④ 朝鮮半島核装備
⑤ イスラエルの危機、核を使用する可能性増大
⑥ イスラム勢力の台頭とイラン核装備
⑦ アフリカ諸国の無政府化
⑧ 中国の海洋進出による米日連合軍との太平洋戦争
⑨ 難民増加による世界全体の社会不安
⑩ 国連解体(国連と言う名称は第二次世界大戦勝利国のユナイテッドネイションズが正しいが)
などである。
2、日本における危険
朝鮮半島が核を保持したまま統一する。南5000万人、北2500万、北の背後には満州の朝鮮族2000万人(人民解放軍だが、1950年朝鮮戦争のように北に加担する)
合計1億人近い、巨大な「反日国家」が出現する。
この存在は中国にも、ロシアにも恐怖だから矛先は主に日本国に向けられる。
日本国と中国・朝鮮間の領土問題は1957年、世界150カ国近くが署名したサンフランシスコ条約で解消していると日米は考えているが、そうではない。
中国は国共内戦、朝鮮は大日本帝国の一部と言う理由・解釈で彼らは参加できなったのだ。
だから、尖閣、竹島の領有をかたくなに主張している。また中国に至ってはヤルタ協定(蒋介石は出てなかったが)で沖縄は中国領にと言う米国ルーズベルト大統領の発言を故意に了解している可能性もある。現在、沖縄は日米の協力軍事基地があり、彼らには手はでない。
それにロシアとの北方4島は永遠に日本には戻らない。
日米は成るべく手の内を知られたくないが、先日の領海侵入した中国潜水艦に対する自衛隊のアクティブソナー攻撃が示している危険性など、海空の偶発的衝突は恐ろしい。
3、米朝会談の危険性
2018年6月の米朝会談の結果にはいくつか推定できるが、どれに転んでも
日本には大きな影響を与えるだろう。
① トランプ大統領が朝鮮戦争終結平和条約を締結することにより南北統一が行われる可能性。
② 会談が破棄もしくは一致に至らず、北は中国の支援を受けたまま核を保有する危険性。
③ 米国が北に軍事行動を起こす。(すでに2月、日本海に原子力空母3隻、ステルス爆撃機が北領上を飛行、攻撃一歩手前であったが)
どの場合も日本国には北のノドン、スカッドなど、小型核搭載可能ミサイル攻撃を日本国内米軍基地的に受ける。
当然基地の周りには数十年間に工場、民家が立て込んでいて日本人も大きな被害を受ける。ミサイルが目標をはずれ関係のない都市部に飛んでくる可能性もある。
これらに対する3段階のミサイル防衛計画はまだ十分に現在の状況では整ってない。(統合幕僚長の講話)、日本独自のミサイル開発、配備には兵器の通例として10年間かかる。
4、それだけでは済まない問題
膨大な数の武装難民が日本国土に押し寄せる。その排除というか対策もたってない状況で本来、海保、警察任務だが対応できないから自衛隊も担務することになろう。現在の規模の人員ではとても足らぬ。
ロシアは国境線に多くの機銃、弾薬を配備しすでに準備完了だそうだ。
難民はすでに日本国内にさまざまな形で侵入している勢力と呼応してゲリラコマンドーを組織し、左翼を利用し
反乱を起こす。仮革命政府が成立して要請すれば、ロシア、中国の日本への攻撃も可能である。
だから第三次世界大戦になるのだ。
5、中華人民共和国の太平洋戦争
中国は明の時代に支配していたと称する南シナ海をすでに制覇した。
周辺諸国には対抗する軍事力はない。すでに南太平洋の島国国家にまで手は伸びた。
いずれ近く、米国と衝突するだろう。
現在の中国人民解放軍海軍は、とても米国の敵にはならないが、彼らのここ数年の拡大をみていると
馬鹿にはできない。日本国の自衛隊も巻き込まれるだろう。
6、地球の反対側の危機
新クリミア戦争勃発、イスラム共同国対イスラエルの戦争は宿命的なもので今度は第7次となる。中東情勢はさらに複雑だ。ロシアがシリアを援助しすでにシリア国内ではイスラエル対イランの戦闘は始まっている。イランの背後にはトルコとロシアがあるが、この両国も対立しており、敵・味方関係は複雑だ。ロシアはいつの間にか米国にかわり鍵となった。日本国民は遠いところのこと、エネルギーはどうにかなる、と深い関心はない。
7、国家の主権とは
言うまでもなく国家の主権は「領土、国民の生命財産の保全」である。それを基礎に憲法で
保障された人権は存在するのだ。
果たして日本国は国家の主権を保持できるか。大変難しい状況にあることをまずは国民が理解し、国会を
3週間も休会状態にした問題とはその重要度は比較にならぬ。
日本国メディアは多くが左翼に握られているから国民は国内の砂と世界の岩石の差がつかない。
8、笊のような国日本
第三国人問題、侵入ゲリラ推定一万人、テロリズムの余地は大きい。いつ何時何が起こってもおかしくない。
脱北の工作員を使った調査ではテロの原点は「大手町」から始まる。前に東京駅、後ろに皇居、そして主要
金融機関の本社、地下鉄のトンネルを走れば霞が関、最高裁、国会へは車より早い。このようなゲリコマが起これば
膨大な犠牲がでる。(地下鉄サリン事件25年前で実証すみだ)
私は過去10年間にわたり、防衛省モニター、市ヶ谷駐屯地モニター、東部方面隊オピニオンリーダー、土浦駐屯地モニター、武器学校資料館アドバイザーと日本国自衛隊に協力し、日本全国の駐屯地や基地を見学する機会を得て、様々な文章をこのHP、各方面に記述し、現況の日本国への危険性は一般国民より実感しているつもりである。
おわりに)
日本は米国に裏切られない限りの安全保障と、裏切っての安全保障の二つの道がある。
粛々と独自の軍備を増強し、国民の国防意識を高めるしか手はない。
米国を裏切れば、まずは日本共産党書記長粛清にはじまり多くの判断能力に優れた順番に国民が殺される。
世界はブロック化、また主要国での全体主義化が深く、静かに進行している。
日本国は国家をしての信念を持ち、強い指導力、外交力と独自の軍備力増強に励まなければならないと年頭より強く感じていた。さてこれからどうなるか?
(以上)