1-12、九七式手榴弾被帽固定の例

この種の手榴弾は威力があったが、打撃方式に問題があった。安全栓(ピン)を抜いて、固いものに打ちつけるのだが、その動きの間に被帽が外れ、スプリングの力で撃針塊(ブロック)が押し出されてしまう恐れがあった。そのため、火傷はするかもしれないが指で被帽を挟んで打てと教えた資料もあった。

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この例は竹で巻いてある。その他、針金、紐さまざまな素材が使われた。

謎は八九式擲弾筒で使用したブースター付きの九一式の信管だ。初期のものは
短い堅い、被帽が信管筒の窪みまで被さっていたが、後記のものは九七式と
同じ信管だ。明らかに発射すると大きなGが掛り、まず被帽が外ればらばらになり、機能しなくなる。従ってこの窪みを何らかの素材で固定していただろう。